優先株式における詳細な権利の内容について見てみよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

以下、優先株式に付随する権利の詳細を見てみることにします。

(a) 残余財産分配権

残余財産分配権とは、そのベンチャーが清算する場合は潰れた場合に、債権者に債務を支払った残りの財産をどうするかについての権利です。

創業者は普通株式を持っていることが多いため、投資家が優先株式で投資を行う場合には、普通株主に先立て残余財産の分配を受けられる権利を付けます。たいてい、倒産したときには、普通株式はおろか、優先株式分も財産は残っていないことが大半ではありますが。通常は、租税債権、給与債権、取引先の債権、金融機関の返済等が優先されますし、それすらもないことがほとんどです。から雑巾から、さらに水を絞るようなものです。

(b) 会社による取得条項

ベンチャー企業において用いられる取得条項は、優先株を普通株式に転換するために使われる用途がメインです。上場するときや買収されるときに、会社が取得条項を使って優先株式を取得して、代わりに普通株式を交付します。このときに優先株1株について普通株を何株交付するかという転換比率を計算する必要が出てきます。この辺は専門家にお任せしましょう。

(c) 拒否権

一定のことを種類株主総会での決議で決議しなければ効力を発しないことを定めます。会社法上は3分の2以上の株式を創業者が保有している場合は、単独で決めることができてしまいますが、例えば定款の内容を変更するときには、種類株主総会で決議しなければならないとします。そのため、議決権を3分の1以上持っていない種類株主であっても、拒否権を持てることになります。そのほか、合併や事業譲渡についても、勝手に創業者にされては、投資家も困りますからね、阻止したいことは阻止できなければ投資する気になりません。

(d) 役員の選任権

種類株主総会で取締役や監査役を選任する権利を定めたものです。

以上のようなことは、ほとんどが投資契約だけでも定めることができますが、同じような内容を優先株式で定める場合の利点ですが、投資契約は契約を締結した会社や投資家との当事者間だけに有効な契約であり第三者に効力が及びません。但し、後者の場合は、株主総会で決議し、登記もされます。つまり優先株式の内容に反した決議は第三者に対しても無効になります。このため、優先株式で定める方が、優先株式を用いた投資家にとって有利に働きます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*