投資家間の権利調整に優先株式を用いる

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優先株式の条項は、投資家間の権利調整にも使うことができます。例えば、あるベンチャー・キャピタルが1株100万円で投資をした、その数か月後で別のベンチャー・キャピタルが1株50万円で投資をすることになったとします。ベンチャー・キャピタルとの力関係、事業の進捗度合いも絡むために、株価が下落するということは決して珍しくありません。

ここで前者をVC-A、後者をVC-Bとしましょう。それぞれの投資額と時価総額及び割合は次の通りとします。

(a) 創業当時:時価総額1,000万円
創業者:(株価)5万円、(株数)200株、(投資額)1,000万円、(割合)100%

(b) ラウンドA:時価総額2億2,000万円
創業者:(株価)5万円、(株数)200株、(割合)90.9%
VC-A:(株価)100万円、(株数)20株、(投資額)2,000万円、(割合)9.1%

(c) ラウンドB:時価総額1億3,000万円
創業者:(株価)5万円、(株数)200株、(割合)76.9%
VC-A:(株価)100万円、(株数)20株、(割合)7.7%
VC-B:(株価)50万円、(株数)40株、(投資額)2,000万円、(割合)15.4%

株価が下がれば、発行済株式数がそれほど増えなければ時価総額は当然下がります。状況が悪化したから株価が下がったといってしまえばそれっきりですが、後から来た投資家に安い価格でシェアを取られて、自分の取り分がその分少なくなるので、一言いいたくなってきます。しかも投資額は同じで、なんで新参者にもっとシェアを取られなけりゃならないんだ、ですね。

このときに優先株式を使って、どのように変えられるかといいますと、あくまで一例ではありますが、VC-Bが新たに投資をして薄まった分、全体(VC-Bの投資前の企業価値とVC-Bの投資額)を加重平均した価格で、VC-Aの実質的な株式数(優先株式を上場前等に仏株式に転換した後の普通株式の株式数)を調整する方法です。

この方法ですと、元々VC-Aが保有する株式数は20株でしたが、加重平均価格が92.3万円となるのでこれを転換価格にすれば、普通株式に転換した後の株式数が21.7株に増えます。大雑把に考えれば22株となり、2株分付与されます。VC-Aがその後の投資に実質的な拒否権を有している場合には以上のようなインセンティブを付与しなければ、会社の経営環境が悪化したときに資金調達ができないことにもなってしまいます。

もう少し細かく計算すると次のようになります。

VC-Aの時の時価総額は2億2,000万円でしたが、VC-A基準で考えれば、その次の投資はVC-Bが投資したことで2億2,000万円+2,000万円(VC-B投資額)となり、2億4,000万円を株数260株(VC-B投資後)で割ると一株当たり92.3万円となります。VC-Aは一株100万円で投資したため、100万円÷92.3万円=1.083、元々の20株にそれをかければ21.66となると計算します。

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