営業をしたことのある人ならばわかると思いますが、そもそもお客さまにモノやサービスを売るときには、お客さまが欲しいものか、今は欲しいと思っていなくても欲しいと思わせられれば売れるはずなのです。それがどうして事業計画書になると、自分が売りたいものを、お客さまが欲しいと思わないのに買ってくれとなってしまうのか不思議でなりません。
この辺は繰り返しになってしまうから、やめておきましょう。次は事業計画書を何で書くかです。まさか今の世の中手書きで、という人はいないと思います。そうなると、大抵の方がマイクロソフトのワードかパワーポイント、エクセルになるでしょう。エクセルは事業計画書を書く際には必須です。5年間の収支計画等、数値の根拠を作成するために使います。財務デューデリジェンスや株価評価だけですとエクセルだけで足りますが、さすがに事業計画書をエクセルだけではどことなく非効率な気もします。但し、実際にエクセルだけで事業計画書を作成して、数億円の投資を受けたことはあります。どちらにしても、投資家に送るときにはPDF化しますので、どれで作っても同じと言えば同じです。あとはあなたがどれで作った方が効率的かにすぎません。しかし数字はエクセルがマストでしょう。
ワードかパワーポイントで事業計画書を作成するケースが多いと思いますが、一般にワードは文章が多め、パワーポイントはビジュアルが多めなときに便利になります。あなたが使いやすい方を選べばよいと思いますし、そもそも事業内容にもよるのではないでしょうか。
文章での説明が多い事業計画書ではワードのA4縦が一般的でしょう。そして比較的に真面目な感じの事業計画書になりますが、ボリュームは稼げません。ボリュームがあればいいというわけではありませんが。そして文章が多いと、校正やミスも多めになり、そのミスの発見がちょっと大変になります。
ビジュアルを多用する事業計画ではパワーポイント(アップルのキーノート)のA4横が一般的でしょう。どうしてもボックスとか→とかチャート図を描くのに非常に便利です。使いすぎはかえってくどくなりますが、投資家を「ほお」と言わせるために、スライドのアニメーション機能を使うこともあります。ごまかしみたいな感じにはなりますが、見ている方は楽しいですね。それが投資の意思決定にどれだけ有用かは別の話です。逆に詳細な説明を文章で行わなければならない場合には、非効率になってしまいますし、ビジュアルに凝りすぎると見掛け倒しの会社なんじゃないかと警戒される場合も出てしまうので注意してください。但しデザインで訴えかける場合にはパワーポイントの方が格段に優れていますし、直感で理解するためにも優れています。
個人的には、プレゼン用としてはパワーポイントを活用してあまり文章を用いず、口頭で説明し、別途ワードによる文章を多用した事業計画書も、内容はかぶりますが用意することをオススメしています。詳しくは(プレゼン後詳細が知りたい場合には)ワードの方をご覧ください、というような感じです。