ストックオプションの基本的な仕組み

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ストックオプションとは、将来、ある一定の条件で株式を購入できる権利のことです。一般的には安く購入して、高値で売却できるので、付与された方には美味しい制度です。さて、ストックオプションの基本的な仕組みについて、以下見ていきましょう。

まず、一株いくらで株式を購入できるのか、その購入価格のことを行使価格(Strike Price)と呼びます。ここで行使価格を1万円としましょう。株価が1万円以下であればストックオプションを行使しても得られる利益がゼロなので行使はしません。そしてタダでもらっているわけですから損失もゼロとなります。ストックオプションは先物取引とは異なります。先物取引であれば、期日が到来したら、最初からの約束価格で売り買いをしなければなりません。それは自分が得をしようが損をしようがです。しかしストックオプションの場合は、自分が損をするときには行使しなければいいだけですから、デリバティブのオールオプションに類似しています。

株価が行使価格を超えると株価と行使価格の差額だけ利益が出る仕組みです。ここで株価が30万円になったとしましょう。行使価格が1万円ですから、まず1万円で株を購入して、市場で30万円で売却します。そうすると29万円の利益が出ます。これがキャピタルゲインです。設立したての会社であれば、企業価値が低いために行使価格が格安のストックオプションが発行できます。しかしベンチャーキャピタル等から資金調達を行った後ですと、行使価格が高くなるのが普通です。そのため創業に近い時期にストックオプションをもらった方が得になります。

もちろんベンチャーキャピタルの投資後にストックオプションの魅力がなくなるというわけでもありません。その魅力が小さくなるだけです。その代わりに資金的には安定するわけですから、悪いことでもありません。そもそも企業価値が何千億円にでもなれば、何億か何十億かの違いしかないかもしれません。確かに大きいかもしれませんが、まあ、いいじゃないですか。重要なことは、ベンチャーキャピタルが投資した前か後かではなくて、自分がストックオプションをどのくらいの量もらえるのか、そしてストックオプションをもらった後にどれくらい企業価値が上がるのかにかかってきます。言い方を変えれば、自分がどの程度企業価値を向上させられたかともいえるでしょう。

また、ストックオプションは、会社が成功したときには頑張ってくれた関係者に報いたいというのが理由でしょうが、税制上の制約等もあり、設計のパターンはそれほど自由度が高いとも言えません。またストックオプションをもらったらすぐに行使できると設計できなくもないですが、通常は付与後2年くらい行使できないようになっています。また、行使できるようになってからもすぐに100%行使できるのではなく、何年かに分けて行使しなければならないこともあります。ベンチャー企業に入社してもらって、すぐにストックオプションを付与して株に転換して、会社を退職されてもストックオプションを付与した意味がなくなります。そして企業価値が大幅に上昇しても、大金を手にして会社を退職しないように考えておかなければならないのです。

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