取締役会と監査役会で構成する制度設計とは

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最近は、設立間もない時期に10億円以上の資金調達を行えるベンチャーが増えてきました。このような会社にはそれなりのコーポレートガバナンスの制度設計が要求されます。また、会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債が200億円以上)となりますと、その後の決算期後、最初の定時株主総会のときに会計監査人の設置、内部統制システムについての決議が必要になり、このタイミングで監査役が設置されることも多いと思われます。

今までの上場会社のほとんどが、取締役会及び監査役会(つまり監査役会設置会社)でしたので、これがIPOのときに最も標準的な形です。そのため、ベンチャー企業が上場する場合には、引き受けを行う主幹事証券や取引所も慣れた形の方が、審査が少しは楽になるでしょう。

この監査役会ですが、1名以上の常勤監査役が必要です。そしてこの人選をどのように行うかが一つのポイントとなります。社歴の長い企業であれば、元従業員みたいなケースがあると思います。当然上場企業であれば、弁護士や会計士などでしょうが。それに引き換え、ベンチャー企業は社歴が短いため、元従業員に適した人がいるわけもなく、かといいつつ従業員を監査役に充てるわけにもいきません。

ただ、実際には、本来はいけないことですが、従業員としても仕事をしてもらっているなんちゃって監査役はベンチャー企業(特にシード、スタートアップ期)には少なくありません。そうなってしまうのは、やはり常勤監査役なので、基本的には他の仕事との兼務はできないですし、フルタイムであるにもかかわらず、営業や開発等の第一線で働く人ほどの給料も払えなくなります。あと本来、監査役という仕事柄、監査対象である現場の人と親しくするわけにもいきません。しかし法令や会計についてはそれなりの知識を持っている人材。まあ、そんな人いるわけがありません。

結構上場を目指す会社ですと、監査役は比較的まともな人を据え付けることになるので、ベンチャー企業で20代、30代が活躍している中、いきなりシニアの方が監査役に就任するケースがあります。このときに浮いちゃって仕方ありません。会社の雰囲気も決して良くなるとは限りません。従業員との飲み会に予防ものなら、単なるセクハラ親父にもなりかねません。俺に酒を告げ、俺の酒が飲めないのか、そういうノリには最近の若い人にはついていけませんからね。

最初のうちは、本当はいけないことですが、従業員の役柄なのですが、監査役をやってもらうことは、経済合理性を考えるとやむを得ないことだと思います。会社の体力がついていって、きちんとした監査役を雇えるようになった時に、リプレイスすればよいのではないかと思います。理想論なんてものは言ってもキリがありませんから。

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