ストックオプションを入れて資本政策を考える

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上場を目指す企業でストックオプションを発行しない企業もまた稀でしょう。ここでは先ほどの資本政策の例でストックオプションを付与したときにどのように変わるかを見ていきましょう。

設立とシード・ラウンドは同じとして、2019年6月に新株予約権を発行するとしています。ベンチャーキャピタルから出資してもらった後にストックオプションを発行することはよくありますが、そうなりますとどうしても行使価格が上がってしまいます。株価はなるべく安いうちに新株予約権を付与した方が、もらった方はお得なわけです。ですので、ベンチャーキャピタルから出資してもらう前にストックオプションを発行するようにしましょう。仮にベンチャーキャピタルから出資してもらうスケジュールが見えてきたら、サッサと付与してしまいましょう。いずれにしても、ベンチャーキャピタルに出資するときに提出する資本政策は、新株予約権も含んだものとなります。

シンプルな資本政策に、新株予約権が入ると少し複雑になります。2019年6月に新株予約権を付与したとなっていますが、増加(SO)がストックオプションの発行数です。そして潜在株の数、その比率、そして潜在と顕在を合わせていくら株式を保有しているか、さらにそれらを合わせてどれくらいの持ち分があるかを割合で示します。そうすると、次の割当増資からの表において、潜在込、潜在込比率という列も付加されます。これも重要です。このときに顕在部分の時価総額よりは、潜在部分の時価総額の方が意味を持ってきます。事業計画の利益等を元に、時価総額を算出して、潜在分も含めて一株当たり株価を算出しなければなりません。ここでは簡単化のために前回とほぼ同じ企業価値となるくらいにしてあります。

ここでは6,000株の新株予約権を社内の人材に付与しています。特に従業員に付与しているのがポイントです。従業員に会社の普通株のために出資させるのも酷ですから、通常は新株予約権の付与となり、インセンティブに使います。結果とすれば、代表取締役の持ち分が潜在込みで84.6%から78.1%に下落、役員は7.7%から12.5%に上昇、従業員はゼロだったのが、3.1%に増加しました。表は複雑になりますが、人間関係も複雑になるようで面白いですよ。従業員も最終的に何人になるかはともかくとして、設立当初の従業員ですから数名?彼らに4億2千万円の経済的権利があるわけですから、退職してもちょっとした小金持ちになれるでしょう。それで一生食べていけることはないにしても。社長や役員は比較的退任しづらいですが、従業員は退職しやすいですから、この辺はドライになる人も多いですよね。後は上場後のロックアップ期間や、税制適格になるか、そして、契約上どうなっているかの絡みでどれくらい売却できるかによるでしょうけれども。まあ、資本政策上の話ですから、捕らぬ狸の皮算用でしかありませんが。

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