ここでは実地調査について詳しく見ていきましょう。本社と事業所、工場等への実地調査が行われ、それぞれ内容が異なります。
部門 |
実地調査の主なポイント |
本社(主に管理部門) |
法定帳簿等(株主名簿、会社計算書類、各種議事録等)の管理状況 個人情報をはじめ重要情報にかかるセキュリティ体制の整備状況 労務管理に係る各種データの確認(帳票実査) 接待交際費、会議費等の状況調査(帳票実査) 固定資産管理の状況確認(帳票及び現物実査) その他の個別確認事項 |
事業所(営業、総務部門) |
業務フローチャートに沿った事業運営、内部統制の状況確認 個人情報をはじめ情報セキュリティに係る整備状況 勤怠管理をはじめ労務管理に係る状況確認 その他の個別確認事項 |
工場(生産、管理部門) |
業務フローチャートに沿った事業運営、内部統制の状況確認 勤怠管理をはじめ労務管理に係る状況確認 安全衛生管理の状況確認 原材料、在庫等の保管管理状況の確認 その他の個別確認事項 |
労務管理や予算統制の状況に係る裏取りをされるケースが見受けられますので、実査への立ち合いについては現場責任者の他、上場プロジェクトの責任者等が同席して対応しなければなりません。
<社長面談>
申請会社のコーポレート・ガバナンス体制の状況、業界におけるポジショニング、今後の業界・会社についてのビジョン、社長の経営に対する考え方、上場後における少数株主への配慮に対する考え方などの確認を行います。特に近年では企業のコーポレート・ガバナンスに対する社長の見解、取引所の企業行動規範の内容にかかる認識、申請会社の法令順守体制や反社会的勢力との関与排除のための体制の状況と言った内容についてのヒアリングがされています。また会社関係者の同席が認められていないため、社長自らが一人で回答しなければなりません。審査実施に当たっては事前に想定質問に基づいて回答案を検討するなど、相応の準備を行ったうえで審査に臨んだ方が良いでしょう。上場準備を全て人任せにしていてはいけません。