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誰もやったことのない革新的な事業であればあるほど、事業にリスクがあって当然です。それゆえ、「この事業絶対に成功する」とか、「この事業絶対に失敗する」というのは論理的に正しくはありません。そこで合理的に考える人は「成功する確率は2割、失敗する確率は8割くらい」と客観的に考えることができます。
そもそも「きっと失敗するだろう」とやる本人が思っていたのでは成功することなどありません、やっぱり駄目だったかと、ちょっとでも上手くいかなくなっただけで改善しようともせず諦めます。正直ある程度は粘らないと何も見えてきません。当然粘りすぎても、改善しようとしなければこれもまた上手くはいきません。往々にして時間の無駄で終わります。
成功する起業家は「成功した状態」を思い浮かべて、それを絶対に実現させてやる、と思える人物です。その強い思いが企業の価値を向上させ、ベンチャー企業にとって最も価値のある資産になるのです。ベンチャーなんて、ビジネスモデルだ特許だといったところで所詮は起業家の魅力なんですよ。
「これを絶対に流行らせてやるぜ!」といった熱い思いを持つタイプではなく、理性的に物事を分析するような評論家は、起業家には向いていないでしょう。理性的に物事を分析すればするほど、リスクの大きなことには取り組みづらくなります。このような場合には、熱い思いを持つタイプを探してきて、二人で取り組むとよいのではないでしょうか。漫才ではないですが、「ボケ」担当の熱い思いを持つ社長と、「ツッコミ」担当の冷静な分析家のCFOのコンビなんて最強だと思いますね。
例えは異なりますが、タイプの異なる二人が有名な会社を作ってきた例は数多くあります。日本でもホンダやソニーはそんなイメージです。熱い思いと持った本田宗一郎氏と冷静な藤沢武夫氏。本田氏は会社のハンコを藤沢氏に預け、本田氏は社員も実印もみたことがないと言います。どうですか、ここまでのボケ。最高ですね。アメリカでもディズニーはこんな関係でした。弟のウォルト・ディズニーがねずみの王国を作り、兄のロイ・ディズニーが弟の夢を実現するために、資金繰りを何とかしていたわけです。今では、真似したくてもできませんが、誰でも真似をしたくなるディズニーランド、その当時は、単なるボケにしか思われていなかったのではないでしょうか。
一人では冷静な自分と熱い自分を分けるのは中々難しいものです。チームでバランスを取るのがよろしいかと思います。どういった企業やビジネスが良いかは、その人次第ではあります。頭が切れて事業を見抜ける人は、ベンチャーを自分で起業されるのではなく、ファンド側にいた方がいいということもあるでしょう。資金調達をして上場を目指す会社だけでなく、資金調達を融資以外では行わず上場を目指さない会社があってもいいでしょう。まずは色々と試してみないと自分に何があっているかはわかりません。しかしどんなタイプであったとしても、仲間を選ぶ際には肌のあった相手を選んで同じ方向を向くことが大切です。