企業評価における併用法と折衷法の違いとは

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併用法と折衷法の違いについて以下、見ていきましょう。

(a) 併用法

企業価値評価における併用法とは、複数の評価法を適用して、一定の幅をもって算出されたそれぞれの評価結果の重複等を考慮しながら評価結果を導く方法です。

例えばインカム・アプローチで計算した結果、株価が200円~300円であったとします。そしてマーケット・アプローチでは250円~350円であったとします。それらが重複するのは250円~300円の間だから、株価を250円~300円とする。このようなイメージです。

(b) 折衷法

企業価値評価における折衷法とは、複数の評価法を適用して、それぞれの評価結果に一定の折衷割合(加重平均値)を適用する方法です。評価結果により差異が生じ、いずれかの評価法を加重平均した方が妥当なケースにおいて適用しやすい方法と言えます。そして折衷割合に関しては評価人の合理的な判断によることになります。そのためやや客観性にかけるため、あくまでも参考値のとどめ、交渉結果によって決定された折衷割合を採用することを勧められています。評価法や折衷割合の決定要因例は次の通りです。

評価法 折衷割合の高低 注意点
市場株価法 評価対象会社が上場企業等の場合、一定時期・期間の株価をもって評価する市場株価法の折衷割合が実務上は一般的には高い。 評価基準日前後の株価の変動、過去の株価の値動きに注意が必要。株価が得意な動きをしている場合には折衷割合を下げることも検討。取引量が少ない場合にも同様。後は、株価平均を半年、1年と長めにとる。
配当還元法 評価対象となっている株式について、株主としての立場が一般株主である場合には配当還元何法を採用し、一定のウェイトを置くケースがある。 一般株主の評価であってもフリー・キャッシュ・フロー法や利益還元法等の評価法を用いているケースもある。過去の配当性向などについて、同業他社と比較し、政策的に配当をしていないケースは適用や方法に関して慎重に検討すべき。
時価純資産法 評価対象会社の継続割合が低い場合、一般的には時価純資産法等、純資産に基づいた評価法の折衷割合を高くする傾向がある。 当該手法を適用する場合、それぞれの資産項目の時価をどのような前提で評価するかについては注意が必要。
上記以外の方法 評価対象企業の継続割合が高いと期待される場合には、用いた手法の継続価値を算定する方法の折衷割合が高めになる。 フリー・キャッシュ・フロー法において前提となる事業計画の実現可能性が不確実な場合には折衷割合を下げる等注意が必要。
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