裁判での評価における注意事項

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譲渡制限株式の売買価格決定申し立て事件があった場合の、株価評価についての注意点を検討しましょう。

譲渡制限株式の株主から株式取得を承認するか否かについて決定をするよう請求を受けて、承認しない旨を決定した場合の売買価格決定申し立て事件においては、裁判所が譲渡等承認請求のときにおける「株式企業の資産状態その他一切の事情」を考慮して売買価格が決定されます。

ここで資産状態その他の一切の事情に関する論点は、公認会計士協会の企業価値評価ガイドラインによれば下記の通りとなります。
(a) 買受人の資力や主観的事情等は「一切の事情」に含まれるか。
「一切の事情」とはいえ、株式価値と無関係な要素は考慮に入れません。従って、株式譲渡する株主側の主観的事情や、第三者による買受希望価格も考慮に入れるべきではありません。

(b) 売買価格の評価基準日はいつか。
「譲渡等承認請求の日」と明文化されています。当然、株式分割やその後の希薄化に関しては当然に考慮されます。

(c) コントロール・プレミアムや非流動性ディスカウントを考慮すべきか。
<コントロール・プレミアム>
大株主の私利私欲等個人的便益を背景とするような場合には、採用されるべきではありません。
<非流動性ディスカウント>
MBOのような株式売却を意図していない少数株主に対してはそれを考慮すべきではありません。

(d) 一切の事情は株主や発行企業の主張と証拠によってのみ決定すべきか。

一切の事情を考慮した価格は具体的事件における両当事者の結論の範囲内に収まるべきか。
鑑定結果は当事者の主張や証拠に一定程度配慮すべきです。

(e) 鑑定人が採用する評価法に制限はあるか。
評価方法の制限については、具体的な明文規定はありません。しかしながら、鑑定人独自が考えた手法等は極力用いずに、従来用いられた手法で行った方が無難と言えます。

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