現物出資とは使えるのか

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出資すると言ってもあんまり金がないなあ、とお悩みのあなたにとっておきの方法を教えてあげましょう。あなたはアイデア持ってますよね。それを現物出資します。これで完了です。何だかすごくシンプルそうに書きましたが、500万円までであれば手続き上は非常にシンプルです。

そもそもなぜ出資が必要かというと、ベンチャーキャピタル等が出資したり、上場企業があなたの会社を購入したいときに株式会社でなければ、対象とならないということもありますが、特に前者、ベンチャーキャピタル等が出資する際に、ある程度あなたが持分を持っていないと、あなたのアイデアで作った会社がすぐに他の人の会社になってしまうからです。あなたの会社ですから、せめてあなたが持分をたくさん持っていたいじゃないですか。この理由には二つあります。①あなたが持分を多く持っていなければ、経営者を追い出されてしまう可能性が出てきます。最低でも自由に経営ができなくなってしまいます。②あなたが大多数を持っていない場合には、経営を行う動機づけがないとして、投資家が不安になってしまいます。やる気起こしてくれないと、売上も上がらないよ、と思われてしまう可能性が高まるということです。

お金がゼロでも(会社設立に関する手数料はかかります)、500万円の資本金の会社ができてしまうのがこの現物出資という制度なのです。なぜ500万円かと言いますと、次の条文二つの条文を見てみましょう。条文アレルギーの人は飛ばしてください。条文の後で自分がやさしく書いています。

(会社法33条第1項)

発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。

(会社法33条第10項)

前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。

一 第28条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合同条第一号及び第二号に掲げる事項

二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(証券取引法 (昭和23年法律第25号)第2条第1項 に規定する有価証券をいい、同条第2項 の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合当該有価証券についての第28条第一号又は第二号に掲げる事項

三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法 (昭和23年法律第103号)第16条の2第5項 に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第28条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)

第33条1項では現物出資は原則、裁判所に検査役の選任をしてもらうのだけれど、10項に例外規定を設けており、500万以下だったら、面倒な事せずにあなたがやっていいよ、それを超える場合には税理士等専門家の人にレポート書いてもらって、ということなのです。ですから500万円まではスムーズということなのです。

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