上場企業ですと、売買しているかしてないかはともかくとして、株式市場で株価が毎日いくらかついています。未上場企業ではどうなるかというとそう単純ではありません。しかし未上場企業でも株価というものはあるのです。それがいくらかを決めるのは企業価値がいくらかを専門家に計算してもらって、それを参考値として、その未上場企業の株を買いたい人売りたい人の間で相対で決まるものです。
そもそも株式市場で取引されている上場企業の株でも、株価は決まっていますし、市場で買えば、基本的にはその株価で取引されますが、市場で買わない場合には、市場でついている株価で取引をしないときもあります。あまりその市場価格と差異があると、税務上問題は出てきます。未上場企業の株ですともっとフレキシブルです。一応、時価で取引しないと、こちらでも税務上問題は出てくるものの、未上場企業の株価はあってないようなものです。
企業価値をどのように計算するかは、計算をする専門家によって、変わります。専門家によってというのは多少語弊があって、専門家が何の数値を根拠として用いるか、そしてその計算方法を何にするかによって異なるといえます。従いまして、同じ数値と同じ計算方法を用いれば、求める値は変わりません。
仮に10億円の企業価値の会社があったとして、その株式を千株発行しているとしたら、10億円÷千株ですから1株100万円の価値があります。1万株発行していたら10万円の価値があります。このとき、株価は100万円、あるいは10万円となるのです。未上場企業の場合は企業価値がいくらなのかになります。
この企業価値を算定する方法は後程詳しく見ることにしますが、大本の根拠は企業の利益が将来いくらになるか、です。つまり株価を高める場合は、企業の利益を高めること、どちらかと言えば将来の利益をいかに高めるかで企業価値、ひいては株価が高くなるということなのです。
それ故、投資家にとっては企業の利益が重要ですから、投資家に対して、企業は社会貢献をする場所であって、金じゃない(=利益じゃない)と言ってしまっては、投資しても意味ないですよ、というのと等しいことになります。飲食店であれば「うちは味じゃないから」と言っているのと同じです。そんな店にあなたなら食べに行きますか。もう一つ「将来どうなるか神様にしかわかりません。そのビジネスはやってみなけりゃわかりません。」という経営者がいたら、飲食店に例えますと「うちのカレーは食べてみなけりゃおいしいかまずいかわからないよ」とお客さまに言っているのと同じことです。
多いんだよね、こういう起業家。そういう奴は融資であれ投資であれ、お金を出してもらっちゃいけないし、人を巻き込んでもいけない。自分で家にこもって自己満足の世界にでも浸ってなさい。