控除する有利子負債等の範囲

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企業が生み出す全てのキャッシュ・フローの合計である事業価値に非事業資産を加算した企業価値は、全ての資本提供者に分配され、企業価値から有利子負債等の普通株主に帰属しない部分の時価を控除することで算定されますが、控除するものは次のようなものになります。

(a) 有利子負債

借入金や社債等有利子負債の時価を控除します。一般的に借入金には市場価格が存在しないため、通常は簡易に考え、借入金の金額をそのまま時価と考えればよいと思います。社債も明確に時価がない場合は簿価で考えるしかありません。厳密には当該金利で借入金や社債のキャッシュ・フローを割り引いて時価を算定するのが正しい方法になります。

(b) 退職給付債務

期末時点における退職給付債務から年金資産を控除した未積立退職給付債務を企業価値から控除する場合があります。

(c) リース債務

リース取引の実質は資産の割賦購入に類似したものであり、リース債務は原則として有利子負債と同様に企業価値から控除します。

(d) 少数株主持分

少数株主持分は、評価対象企業やその子会社を連結した企業価値の中で、親会社株主以外の少数株主に帰属する価値を言います。少数株主持分は評価対象企業の株主の支配の及ばない価値であり、株主価値の算定に当たってはその時価を見積企業価値から控除します。

(e) 種類株式

種類株式は少数株主持分とな軸、評価対象企業の普通株主の支配の及ばないものであり、普通株式の価値を求めるにあたり、その公正価値を企業価値から時控除する必要があります。

(f) 新株予約権

新株予約権は、予め定められた行使価格で株式を取得することができる権利です。投資家が合理的であれば新株予約権が行使されるのは株式の時価が行使価格を上回る場合です。時価を下回る価格で新株予約権者に株式が交付される結果、株式の希薄化が生じます。これを評価に反映させる方法として最も理論的な方法は、オプション評価モデルにより評価した新株予約権の公正価値を企業価値から控除するという方法です。

(g) その他の債務

訴訟等の偶発債務から生じる損失を見積もって、企業価値から控除する場合があります。

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