株主価値を詳細に解説してみよう

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資金は成長性の高い事業に配分し、社会的な価値を極大化すべきであるという考え方があります。そのため非事業資産は現金化して新たな有望事業へ投資して、価値を増大させることが望ましい行動と言えるのです。

そのため経営者は、非事業資産を現金化し、自社株取得や配当によって株主に還元して、株主に新たな投資機会を与えることが必要になります。いいも悪いも企業の経営者は株主の価値を高めることが第一義的になり、保有資産で株主価値を高めないのであれば、株主に還元しなさいよ、というのが財務理論としては正しいことになります。企業は株主のためだけではないと考えていればまた別ですけれども。

株主価値は企業価値から有利子負債を差し引いた株主に帰属する価値のことです。企業が事業に必要な資金を調達する方法には、有利子負債での調達と、株主資本での調達の2つの方法があります。有利子負債とは借入金や社債等による調達を言い、株主資本とは株式の発行による調達するものです。企業価値は資金提供者(有利子負債と株主資本)に分配すべき価値として定義されます。

株主は有利子負債よりも劣後した取り扱いを受けるので、有利子負債を返済して残った価値が株主に帰属する価値となり、企業価値が有利子負債総額を下回る場合には、株主が受け取る価値はゼロとなります。また、有利子負債総額を上回る企業価値があれば、企業価値が高いほど株主に帰属する価値が大きくなります。有利子負債は企業価値の分配において、株主資本よりも優先されるものの、契約で決められた金額が上限になります。そして株主資本は企業価値が大きくなればなるほど帰属する価値もまた大きくなるのです。

株主価値の他に、株式価値と表現する場合もあります。株式価値とは特定の株主が保有する特定の株式価値のことをいいます。そこで種類株式や新株予約権付き社債評価を行う場合には留意事項があります。

新株予約権付社債を発行する場合、その公正価値を企業価値以上に評価することは誤りです。有利子負債や種類株式の価値算定については、当該発行条件に従って受取可能なキャッシュ・フローに基づいて評価しますが、種類株式・新株予約権付き社債を発行する企業が稼ぎ出すキャッシュ・フローが制約条件付きであることに注意が必要です。

企業が発行した種類株式・新株予約権付き社債は、どんなに好条件であっても、事業から得られるキャッシュ・フローがマイナスであれば利息や配当を受け取ることができないのです。このことを理解して、企業価値~有利子負債価値+株主価値を前提として、有利子負債や種類株式の価値評価を行わなければなりません。

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