取締役単独組織の制度設計とは

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アメリカにはアメリカの、日本には日本の事情があることを前提としたうえで、日本のベンチャー企業の望ましい制度設計を考えていきましょう。ここで述べることはあくまでも参考に、個別事情も多分に含むので、それらは専門家を交えてあなたなりの企業の制度設計を行っていくべきでしょう。

以前の商法時代には、株式会社は取締役会設置を義務付けられ、さらに取締役会に3名以上の取締役が必要でした。3人必要だったので、父ちゃん母ちゃん爺ちゃんあるいは婆ちゃん、あるいは息子、ここまでくると単なる数合わせにしかすぎませんでした。商法が会社法となってからは取締役1名でも会社が作れるようになりました。

日本では取締役会を設置すると、監査役、監査役会、監査委員会等の「お目付け役」機関の設置も必要となります。アメリカがノーマルだとすれば、日本は装甲を装備した、まさにフルアーマータイプ。このため、日本の創業初期のベンチャーでスピーディーに物事を決めていくためには、とりあえずは取締役会を設置せず、社長1名、合計2~3名程度までの取締役の体制から始めるのがおすすめです。このとき投資家が社外取締役をして関わる場合には、相談しながら進めていくことになるでしょう。

取締役会を設置しないような場合には、会社法上の取締役会ではありませんから、取締役ミーティングとかあるいはずばり「経営会議」と名付けた方がいいと思います。そして取締役会ができたときには、そこで何を決定するかという「取締役会規則」「職務権限規程」といった規則を作ってその中で定義するのが普通になります。経営会議ではわざわざ「経営会議規則」を作るべきかというと、それほどでもないですし、作りたければ作るという程度でよいのではないかと思います。しかし、会社の重要事項を事前に投資家に存在するという必要がある場合には、投資契約が取締役会規則のようなものになりますから、投資家から要求されなければわざわざ作るほどでもありません。

もっとも、ベンチャーキャピタルが投資をしてくるようなステージの場合には、取締役会自体を作ることを要求されることが増えると思いますので、取締役会を作ったときに規則化すればよいと思います。規則化といっても、ググって雛型をダウンロードして、とりあえず会社名と日付を埋めて、それでとりあえず置いておき、必要に応じて都度修正のようになるでしょう。もちろん、最初からひな形から若干カスタマイズできればなおよしという感じです。

いずれにしましても、取締役会がなく、社外取締役である投資家と取締役会議で話し合って納得すれば、投資契約上の了承が取れたのと同じことになっていれば、取締役会で物事を決定するのと同じような状況を作れます。

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