親会社を有するかどうかの検討

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親会社とは上場申請会社の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関を支配している会社等をいいます。

親会社を有する場合は、上場申請会社は当然子会社になり、子会社上場という枠組みで上場審査がなされることになります。子会社上場に関する取引所の考え方及び審査所基準についてはここでは論じませんが、通常の上場準備に比較してハードルが高くなることは間違いありません。

従いまして、上場申請会社が親会社を有するかどうかの検討も子会社や関連会社の場合と同様に、上場準備の早い段階で検討することが必要です。また、他の会社から出資や融資を受け入れる場合にも、出資先や融資先の子会社に該当することになるかどうかを事前に検討し、場合によっては主幹事証券会社や監査法人に確認した方が良いでしょう。

なお、上場準備会社の株式が役員及び創業者一族の資産管理会社により所有されている場合、当該資産管理会社が親会社に該当する場合があります。形式的に判定すれば上場準備会社の議決権の過半数を所有している会社は親会社に該当しますが、例えば、純粋な資産管理のための箱であるような状況であれば親会社とならない可能性があります。しかし同族以外の役員が就任していたり、従業員を雇用していると純粋な箱と認められない場合があるので注意が必要です。

また、当該会社が資産管理以外の営利事業を別個に行っているような場合にも純粋な資産管理会社と判断することは難しく、親会社であると判断される可能性が高くなります。

また、ベンチャーキャピタルからの出資を受け入れた結果として投資事業組合等のファンドが上場申請会社の議決権の過半数を持つケースがあります。当該投資事業組合等が他の会社の子会社であると判定された結果、上場申請会社の親会社となる可能性があるのです。このような場合にファンドの親会社である会社の意図が純粋な投資目的であることを明確にし、親会社ではなく主要株主として取り扱う考え方もあります。

ベンチャーキャピタル等の投資企業が投資育成を図りキャピタルゲインの獲得を目的とする営業取引として出資を行う場合に、申請会社の意思決定機関を支配していることに該当する要件を満たしていても、次の全てを充たすときには子会社に該当しないとされています。

(a) 売却等により申請会社の議決権の大部分を所有しないこととなる合理的な計画がある。
(b) 申請会社との間で出資以外の取引がほとんどない。
(c) 申請会社は、自己の事業を単に移転したり自己に代わって行うものとはみなせない。
(d) 申請会社との間に、シナジー効果も連携関係も見込まれない。

これをVC条項と呼んでいます。

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