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日本人の悪い癖ですが、アメリカでこうしているから日本でもこうすべきだという「外国何でも右倣え症候群」があります。別にアメリカだけでもないですが、欧米に追い付け追い越せの時代がいまだ続いているようです。別に日本人がこう考えた、以上終了、という考え方があっても悪くはないと思うのですがね。何で自分たちに自信が持てないのかが不思議です。自分たちはこう思うでいいと思います。それで他国から批判されようがだから何だよ、です。合理的な理由があればいいのではないでしょうか。
ベンチャー企業といえば、やはりアメリカです。そこでアメリカではこうしているのだから日本でもこうすべきだというのもちょっとどうなんだろうと思いますね。もちろん、アメリカはイノベーションの先進国ですから、アメリカの特にシリコンバレーでやっていることを真似したくなる気持ちはあります。実は自分もそうじゃねえか、なんですが、何でもかんでもアメリカと同じようにやることがいいのかというと、果たしてそうでしょうか。アメリカからは学ぶべきところが多いですが、全部同じじゃなきゃいけない理由はありません。日本には日本のやり方があるで結構。
アメリカと日本の違いの一つとして、資本政策があって、日本では創業者や経営者がアメリカの平均より高い持ち分比率をもって上場するケースが高いといわれます。つまりアメリカでは社長が過半数の株式を持っていなくてもいい、と思っているベンチャー経営者も少なくありません。さらに言えば、公開時には10%を切る経営者もいます。
経営者の持ち分が少なければ、それだけ追い出されるリスクも高くなります。アメリカではシリアルアントレプレナーと言いますか、どこかの企業で上場やM&Aで成功させ、さて次!という方も多いので、別に今の会社の持ち分が少なくたってどうでもいいんです。対する日本は、自分が上場させた会社に居座ることがほとんどですから、やはり経営権をきちんと確保するために、持ち分比率を高めておくことが必要なのです。
後は投資家側の発想ですが、日本人の根本的な発想として、一度やり始めたら継続することが美徳とする精神があります。別にこれが正しいとか間違っているとかではなくて、だからこそ、上場して逃げるとは卑怯だというのが心のどこかにあるのかもしれません。ですから、あまり起業家の持ち分が少なさすぎると、全力で事業に取り組んでもらえるか心配になってしまいます。
もちろん日本の旧来的な固定観念に縛られることもないですが、創業者の持ち分比率が低い方が、シリコンバレーみたいでカッコいいかというと、別に日本がシリコンバレーの真似をしなくてもいいし、もう少し慎重に考えた方が良いことでしょう。