企業評価手法の場面別採用事例

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

(a) インカム・アプローチの採用事例

  • 評価対象企業が安定して収益を計上している場合

過去数期間にわたり、安定して収益が計上され、今後も業界の成長に歩調を合わせた安定的な成長が期待でき、中期経営計画においても過去の業績や市場の動向から極端に乖離した予測がなされていない、完全に類似業種がなく、マーケット・アプローチでは将来的な収益力が繁栄されない等の場合は、インカム・アプローチが妥当と言えます。

  • 評価対象企業のリストラ目的

直近の業績は低迷しているが、市場が成熟化しており将来的には一定の成長が見込まれ、長期的な市場動向に歩調を合わせた安定的な成長が期待でき、直近の業績の低迷で、マーケット・アプローチでは企業価値が過少に評価されがち等の場合は、インカム・アプローチが妥当と言えます。

(b) マーケット・アプローチの採用事例

  • 企業買収の予備的評価目的

評価対象企業の買収を計画しているも、具体的な交渉開始前の段階で内部資料を入試していないときに行う時、インカム・アプローチの前提となる将来キャッシュ・フローが入手できない、複数の類似上場企業を選定できる等の場合には、マーケット・アプローチが妥当と言えます。

  • 資本提携関係にある会社間のTOB価格算定

買付者と買収対象者は既に業務資本提携を締結しており、本件は資本関係のさらなる強化を目的とした価格算定の場合、市場価格を基礎として一定のプレミアムを考慮することで買い付け価格を設定する方が迅速な意思決定に結び付く場合があります。既に資本提携が締結され、売り手側買い手側が友好関係にある、提携関係を通じ、双方の事業内容、リスク、経営戦略など認識が予め共有されている等の場合には、マーケット・アプローチが妥当と言えます。

(c) コスト・アプローチの採用事例

  • 連続して損失を計上している場合

評価対象企業が連続して損失を計上し、企業の継続性に問題があること。インカム・アプローチにより算定される事業価値がマイナス、またはゼロに近い水準となっているような場合には、コスト・アプローチが妥当と言えます。

(d) インカム・アプローチとマーケット・アプローチの採用事例

  • 上場企業が非上場子会社を完全子会社化する株式交換における価格算定

株式交換比率の算定は少数株主の利益に直結するために、複数の評価手法で異なる側面から企業価値をとらえることで、算定結果の客観性、妥当性を担保する必要があります。そこで評価の前提となる取引が将来の企業価値の増進を目的としており、評価対象企業に親会社である上場企業が含まれるときには、二つの手法の組み合わせが妥当となります。

  • 完全子会社化を目的としたTOBにおける価格算定

評価対象企業の業績が低迷しているものの、市場株価に将来の業績の回復シナリオが織り込まれ、目先の業績と株価の間に適切な対応関係が存在していない場合、二つの手法の組み合わせが妥当となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

10社を上場へ導いたプロによる上場支援

上場支援プロでは、

  • 法務
  • 財務
  • 会計
  • 税務
  • 資金調達

を中心として会社を設立してから、最短で時価総額を高め、

スムーズに上場するための支援をしております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*