資本政策は上場を逆算して考えろ

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初期のベンチャー企業が企業価値を考える場合には、将来のキャッシュ・フローを考えなければなりません。そのため、資本政策も上場から逆算して考えることになります。

その時に夢を見てみましょう。要するに創業者たる自分も、投資家も関係者全員が幸せになっている将来を予想するのです。資本政策ですから、当然、時価総額がこれだけ上がって、自分はこれだけの巨額の富を手にする、そういった未来です。

夢なら布団の中で見てろ、と言われてしまいますね。現実的には困難ばかりですが、考えなければならないことがたくさんあります。将来の収益をどのように確保しようか、ということは当然ながら、創業者自らが何%くらい持ち分比率があるべきか、上場すると上場維持コストがかかりますが、そういうのを支払ったとしても上場することにメリットがあるか、そして何よりも投資家に株式を買ってもらえるかということです。

上場基準は確かにマザーズであれば10億となっていますが、それだけのぎりぎりの基準では、上場後赤字は目に見えています。目標としては、300億円程度を狙っていき、最低でも100億円程度で上場するくらいにしないと、後がきついのです。PERを20倍としますと、それでも年間の純利益は5億円から15億円必要です。仮に最終純利益が5%程度の事業であれば、売上高は100億円から300億円ならなければなりません。その純利益率が高ければ売上高は低くても構いませんが、あなたの事業はそうなっていますか。

PERは上場以降も利益の急成長が見込める企業であれば20倍ではなく、50倍あるいは100倍もあるかもしれません。そうすればその分利益が小さくても時価総額がつきます。今後、ゆっくりとしか成長しないような事業であれば、PERはもっと低くなります。そうなりますと、もっと利益を出さなければ、大きな時価総額はつきません。

また、好循環に乗れる資本構成というものがあります。当然のことながら、投資家は自分が株式を購入した企業には成長して、株価が高くなってほしいと思っています。そして企業は負担できるリスクが株式となりますので、株式が大きければ大きいほど、リスクの高い領域にチャレンジできることになります。しかし、時価総額が低く、社長などを含めた安定株主比率が低い会社は、リスクが負えず、成長余地が低い会社と思われてしまいます。リスクが負担できないということは、堅実にコツコツと利益を出していかなければならないため、将来キャッシュフローの予測も低くなり、株価も抑えぎみに見なってしまいます。

繰り返しになりますが、上場基準を満たすだけならば新興市場で10億円、東証でも50億円以上で十分なのです。しかし、参入障壁の高い業界でコツコツと利益を上げ続けていけるならよいのですが、そもそも上場できるような魅力的な事業であれば、競争が激しく、急激な変化に対応できる財務体力が必要です。そのために、なるべく高い時価総額で上場した方がいいのです。

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