早産傾向にある日本の上場マーケット

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各国の家計金融資産構成比は次の通りです。

アメリカ(8,514兆円) 株式・投信 (29.0%) 保険・年金 (31.4%) 現金・預金 (13.7%) その他 (25.8%)
イギリス(1,072兆円) 株式・投信 (11.6%) 保険・年金 (58.8%) 現金・預金 (24.4%) その他 (5.2%)
日本(1,740兆円) 株式・投信 (14.9%) 保険・年金 (29.3%) 現金・預金 (51.9%) その他 (3.9%)

出所:FRB、BOE、日本銀行(2015年末)

家計というのは消費者である我々自身のことですが、以上は平均値です。普通の人は現金・預金はゼロでその他が100%じゃないだろうか、と思うくらいです。冗談はさておき、アメリカでは個人が債券、投資信託、株式等のような資産をもって、直接大きなリスクを負担しています。年金等の機関投資家の層も分厚くなり、現預金の割合がそれほど多くはありません。

一方日本では現金・預金の割合が半数を超え、保険の営業マンの頑張りで保険・年金の割合が多くなっていますが、株式や投信等のリスク資産はアメリカの半分となっています。現金・預金は銀行へ流れていきますので、銀行経由で産業に資金が供給される仕組みになっています。

いわゆる株式等は直接金融、銀行は間接金融といいますが、直接・間接とは消費者である家計が直接企業に資金を投下するか、銀行を介して間接的に企業に投下するかの違いです。ご存知の通り、銀行は利ザヤが薄く、大きなリスクを負えない業態ですので、銀行に資金の大半が集中している、日本のような社会では、社会全体が大きなリスクを扱うのに慣れていない構造になっているのです。そのために、アメリカの真似をすればなんでも大丈夫だなんてことにはなりません。社会全体の構造を変える必要があります。言ってしまえば、起業家の方もまずは自分で率先して、自分の企業に自己資金をぶち込むくらいの意気込みがなければ、自分に投資をしてもらえるような社会にはなかなかならないということなのです。

社会全体でリスクを負えないことは、ベンチャー企業にとってもなるべく早く上場させようとする力が働きます。こういうと少し誤解が生じそうです。実際に企業からIPOまでの期間はどう考えてもアメリカの方が短いですからね。むしろ上場できそうな企業はさっさと上場させる力が働くというのが正解です。力があるのに上場しないことを待ってくれないという意味です。

例えばGoogleは2兆円以上の企業価値になってから上場しましたが、日本であれば100億の企業価値になれば、株主からさっさと上場しろとせっつかれてしまうのです。特にベンチャー・キャピタルはうるさいかもしれませんよ。個人投資家は起業家に言われなければ、上場できるかどうかはわかりませんからね。

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