企業の取り扱うデータ量が膨大となっており、業務管理体制を整備する上での情報システムの整備も非常に重要となっています。
システム化が図られていなければ上場できないというわけではありませんが、膨大なデータの処理を人手で対応するには限界があります。そこで作業を効率化し、データを分析してタイムリーな経営判断を行うには、情報システムの利用が有効です。
システムの整備は、より効率的に業務を実施し、より正確な情報をタイムリーに取得するという観点から、業務管理体制の整備と並行して行われることになるでしょう。以下では、情報システム利用のメリットについて説明しましょう。
1.情報システム利用のメリット
情報システムの導入を検討する際には、システム化による以下のメリットを十分に享受できるよう意識した上で決定を行う必要があります。
(a) 情報一元化による効率化
システムの導入により情報が一元管理されることにより、何度も担当者間で情報の伝達を行う必要がなくなり、業務が効率化します。
(b) 処理の正確性
人手による処理の場合は、単純な作業の処理誤りや集計漏れの発生を完全に防ぐことはできませんが、情報システムによれば、ロジックミスがない限り、入力通りの処理の実施が担保されます。
一方で個別の判断を要求するような事項や、当初想定していた以外のパターンでの取引が発生した場合には、システム上で画一的な処理を行うことは困難であることも多いため、システム外で例外的に処理する方法についても予め定めておくことが重要となります。
(c) 承認権限の明確化
定められた承認権限に従い、システム画面の表示自体を制限することや、承認されなかった場合に次工程に作業が流れないようにすることにより、適切な権限者により行われ、適切に承認された作業のみが次工程に流れることを担保できます。
(d) 情報集計の適時性
システム上でリアルタイムで情報が更新されることにより、システムを導入しなかった場合の情報集計の手間が省け、簡潔な操作で情報を利用することができます。