監査役へのインセンティブの付け方

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監査役へのインセンティブというのは中々に難しい問題を含んでいます。ちなみに監査役には税制適格ストックオプションが付与できません。以前の会社法ではそもそも監査役にストックオプションすら付与できませんでした。おそらく、監査役に株価と連動させるインセンティブを与えたら、監視機能がなくなって、経営者とグルになって暴走するんじゃないか、くらいに思われていたに違いありません。

アメリカでは監査委員会に属する社外取締役にもストックオプションが付与されていますし、アメリカでそうだから日本でもそうあるべきだというつもりもありませんが、監査役にストックオプションを付与したら監視機能が失われるとは言い切れないと思います。

会社法の制定で、監査役にも税制非適格のストックオプションが付与できるので、まずは第一歩でしょうが、監査役にも企業価値を向上することにインセンティブをつけておかないと、企業価値の向上はどこかで加速力を失うのではないでしょうか。むしろ経営者の暴走への歯止めは他のところでつけるべきです。例えば、経営陣の暴走によって企業価値を毀損して、株主が損害を受けたときに、きちんとその暴走に対して監査役が監査の役割を果たしたか、果たしていればお咎めなし、果たしていなければお咎めあり、つまり取締役と同罪となって、損害賠償の責めを負えばいいだけの話です。

何でもかんでも取締役のブレーキ役になることはありません。当然、あっちの方向に行っちゃったとか、違法行為をしそうになった取締役のブレーキ役にならなければならないことは言うまでもありません。そのブレーキ役はあくまでも、企業価値を毀損する恐れがある場合です。経営をしていれば、必ずしも何でもかんでも上手くいくわけではありません、やってみてダメだったなんてことは日常茶飯事です。そのうち何個か当たればそれで十分なのです。それはダメそうだからやめておけ、とブレーキばかり踏んでいては、例えば、自動車の教習カーの助手席に乗っていたときに、教官がブレーキばかり踏んでいたんでは車は先に進みません。本当に事故ると思った時に踏めばいいだけの話です。

こう考えますと、監査役も経営陣と同様に、企業価値が高まることによって、インセンティブを与えておいた方がいいわけです。あくまでも企業価値を高めるのであれば、ブレーキを踏まずにおく、企業価値を毀損する恐れがあれば、ブレーキを踏みます。結構、税制適格、非適格という違いだけでも大きな違いを生むことはあるものです。

また、委員会等設置会社や取締役会非設置会社が導入されるまでは監査役は必須の機能でしたが、今はそうではなく、他の選択肢を考えるだけのオプションが用意されています。

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