持株会社の上場とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

上場会社の中には、純粋持株会社制を採用する会社が増加しており、上場準備会社においても、上場準備の段階で純粋持株会社制に移行した上で、上場を目指す企業があります。将来的に活発なM&Aを計画していたり、グループ内の事業を会社ごとに整理したい場合には、持株会社化も検討対象となりますが、その際に考慮すべき一般的なメリット・デメリットとして以下の通りです。

1.メリット
(a) 企業グループの経営効率の向上

企業グループ全体の戦略を策定する持株会社と事業を推進する事業会社を分離することで主力事業を中心とした戦略が策定されることを回避し、グループ全体の経営効率が向上します。
(b) 意思決定の迅速化
事業に関する権限を各事業会社に完全に移管することができれば、スピードを要する経営戦略に対応しやすくなります。
(c) 経営成績、経営責任の明確化
各事業会社では各々法人として独立採算の経営が行われ、経営成績及び経営責任の明確化が実現されます。
(d) 会社間のリスクの分断
企業グループを取り巻く様々なリスクについて、ある程度分断することが可能となります。
(e) 事業再編の容易性
株式の売買や出資を通じて、事業の買収や売却等の再編、新規事業への進出が容易となります。
(f) 後継者、経営幹部の育成
将来、企業グループの経営を担う後継者や経営幹部に、事業会社の経営を担当させることにより、彼らの育成を図ることができます。
(g) 業種、業態に応じた人事制度の導入
各事業を別会社化することで各々の事業内容に合った人事制度を構築しやすくなります。

2.デメリット
(a) グループとしての求心力の低下

事業子会社が自立性、主体性を持って活動するため、求心力が低下する可能性があります。
(b) 事業間のコミュニケーションの希薄化
事業ごとに独立した法人となるため、人材や技術の交流の機会が減少します。
(c) 管理コストの増加
会社数が増加すると間接業務の重複が生じ、コストが増加する可能性があります。
(d) 税金負担の増加
事業子会社に赤字と黒字が生じる場合、単一の会社の場合と比較して税金が増加します。なお、連結納税制度を採用した場合であっても、地方税(住民税及び事業税)については損益を通算できないため、負担は増加します。

純粋持株会社として上場する場合であっても、一般の事業会社と同様に上場企業として適切なグループ組織が形成され、運営されているか否かという点が審査の対象として検討されることに変わりはありません。但し、持株会社制には以上のようなデメリットが想定されるため、問題をクリアにしているかどうか問われることになります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

10社を上場へ導いたプロによる上場支援

上場支援プロでは、

  • 法務
  • 財務
  • 会計
  • 税務
  • 資金調達

を中心として会社を設立してから、最短で時価総額を高め、

スムーズに上場するための支援をしております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*