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以下、東証一部と二部の審査基準を概観してみましょう。
1.企業の継続性及び収益性
(a) 事業計画がそのビジネスモデル、事業環境、リスク要因等を踏まえて、適切に策定されているか認められること
申請会社のビジネスモデルの特徴(強み・弱み)や収益構造について、過年度の業績の変動要因も踏まえて把握した上で、今後の事業展開に際して考慮すべき様々な要素(例えば、業過環境、競合他社の状況、ターゲットする市場規模や市況、製品・商品・サービスの需要動向、主要取引先の情況や法的規制の状況等)が事業計画に齟齬なく反映されているかどうかを中心に確認します。この際、利益計画、販売計画、仕入・生産計画、設備投資計画、人員計画、資金計画等の計画が整合的であるかも確認します。さらに、事業計画が経営者や特定部署の希望といった独断的なものではなく、申請会社内の組織的な手続きを踏んだ計画かどうかという点もチェックします。
(b) 上場後において安定的に利益を計上することができる合理的な見込みがあること
上場後一定の期間において安定的に利益が計上できる合理的な見込みがあるかどうかの確認を行います。ここでいう「上場後一定の期間」とは、申請事業年度を含む2期間とするが、3期目以降に申請会社(企業グループ)の業績に多大な影響を与えることがある場合にはその事象も含めて判断します。例えば重大な法規制の改正や大規模な設備投資計画があるというものです。また、安定的に利益を計上できる合理的な見込みがあるかどうかは、以下の確認をします。
・業績が安定的または増益基調で推移している場合
事業計画が適切に策定されているかどうかの観点以外の確認は行いませんが、申請会社における利益の額が小さすぎる場合、継続的な利益計上の根拠を確認します。例えば損益分岐点を上回る根拠、安定的に利益を上げるセグメントの安定性のことです。
・業績が減益基調で推移している場合
上場後の継続的な利益計上の根拠を確認します。例えば損益分岐点を上回る根拠や安定的に利益を上げるセグメントの安定性等です。申請期の業績進捗実績等によって、業績の底打ちを確認することが必要な場合もあります。
(c) 経営活動が以下の事項から安定かつ継続的に遂行可能かどうか。
・事業活動が以下に掲げる状況にあること
- 仕入、生産、販売状況、取引先との取引実績並びに製商品・サービスの特徴及び需要動向その他の事業の遂行に関する状況に照らして、安定かつ継続的に遂行可能なこと。
- 企業グループの構造が継続的な事業活動の遂行を著しく妨げるものでないこと
・設備投資及び事業投資の投資活動が、投資状況の推移及び今度の見通し等の状況に照らして、経営活動の継続性に支障をきたす状況にないこと。
・資金調達等の財務活動が財務状況の推移及び今後の見通し等に照らして、経営活動の継続性に支障をきたす状況にないこと。
・主要な事業活動の前提となる事項について、その支障をきたす要因が発生している状況にないこと。