ストックオプションの発行計画

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ストックオプションについては、無尽蔵に発行できるわけではありません。投資家も出資したら、実はストックオプションの発行数がものすごすぎて、例えば5割くらいが潜在株式だったら、ストックオプションを行使した時点で一気に株価が半減してしまいますから、そんなことが認められるわけはありません。

実際に、投資家が投資をする際には資本政策を要求します。今、発行済株式数は何株か、潜在株式はどの程度あるのか、今後、どのくらい資本が必要で、自分の株価は最終的にどれくらい希薄化するのか、それらを知ったうえで投資します。上場審査のことも考えますと、上場までに累計で、発行済株式数の10%以内に収めておくのが無難と言えます。仮にそれ以上発行してしまっていたら、上場前に実際に出資してもらって顕在化しておかなければならなくなります。

ストックオプションの発行計画を考えるにあたっては、ストックオプションを発行する対象はほとんどが会社役員と従業員でしょうから、人員計画と資本政策を組み合わせて考えなければなりません。

通常、事業計画を策定するにあたっては、今後どのような事業を行うために、どれくらいのスキルを持った人が何人、これくらいの時期に必要だということを想定したうえで、人件費のところに数値化されているはずです。スキルに応じて概ね時価は決まっていますから、そのスキルの人員×〇名×月額単価で人件費が決まります。このときにその人員の役職や期待に応じて、ストックオプションの数を振り分けます。優秀な人材を惹きつけるために、現在はあまり現金でお支払いはできないですが、上場したらこのくらいもらえます、ということをストックオプションで示します。もっとも税金の関係や、売却のタイミング、そもそも上場できるかどうかも含めて、色々な要素が絡んできますから、予想通りにいかないのが現実です。

資本政策とも絡みますので、どのくらいの時期にどのくらいの時価総額になって、そうするとこの人に何株付与しておけば、〇億円になると皮算用します。難しい言葉を使えばシミュレーションするということですね。ストックオプションはたいてい社長の独断と偏見で決まってしまいますが、合理的に決める必要はあるわけで、付与のタイミング(いつ入社したか)、そして、その人の役職や職責を元に決定していきましょう。なるべくルール化した方がいいと思います。給与もそうですが、それを知っているとあの野郎、大したことやってないくせにあんなにもらいやがって、と思うわけで、ストックオプションでも同じことが生じます。特に新参者が、能力があるからと言ってたくさん付与しようとすると、既存の人のモチベーションにも関わってきます。もちろんストックオプションの付与数を全員に大っぴらにする必要はないですが。ストックオプションの付与数を決める際にルールにがんじがらめになることもありません。その他の定性的要因も考えてメリハリを付けましょう。

付与時はわかりませんが、実際には上場時に有価証券報告書を提出するのですが、ここに、何株付与したかを開示することになってしまいます。ここでストックオプションを受け取った前任の名前、住所、付与数が記載されます。なので隠し切れないことは知っておいた方がいいでしょう。

考えるプロセスは次のようになるでしょう。

(1) 事業計画を立案します
(2) 資本政策を構築して付与できるストックオプションの量を仮定します
(3) 役職別の付与ルールを決めます
(4) 想定時価総額から誰がどのくらいのインセンティブになるかをシミュレーションします
(5) 上記検討サイクルを繰り返して、整合性を取っていきます

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