取締役会及び監査役組織の制度設計とは

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日本の株式会社の標準的なパターンは、取締役会を設置して監査役を置く形でしょう。いわゆる取締役会設置会社と監査役設置会社になります。利害が相反する株主が増加してきた場合には、取締役会設置会社にする必要が出てきます。

さて、監査役は必ず取締役会に出席しなければなりませんが、取締役会での議決権を持っていません。ここで、会計監査権限に限定される監査役は取締役会に出席する必要はありませんが、通常のベンチャーでは監査役の権限を会計監査に限定している例は少なくないでしょう。取締役会は取締役会全体の決議でしか行動できないのに対し、監査役は独任制といって個人単独でも取締役の行為差止請求権や、会社を代表して取締役との訴訟を行える非常に強力な権限を有しています。そして監査役の主な仕事は業務及び会計の監査ですから、会社法や会計についてもそれなりの専門知識を必要としています。

専門知識は必要なのですが、それは建前で、中小企業の監査役では、数合わせで知り合いになってもらうことが多く、必ずしも会社法や会計についての専門知識を持っている方が稀です。

さて、どのような方に監査役になってもらった方がよいのでしょうか。その本来の目的上、数合わせのための友人、知人、親戚は基本的にアウトです。法律上は別に何親等内の親族がとか監査役に制限をかけているわけではありませんが、知り合いですとけん制機能がありません。あと、代表取締役から監査報酬をもらっているので、批判したり、うるさい奴だと監査役報酬がもらえなくなってしまうこともあるので、あまり社内で強くは言えません。中には厳しくやらせていただきますといって、わざわざ厳しいことを言ってくれる人もいますが、あまり長くは続かないようです。それでも報酬をもらっている以上、社内でも優しくアドバイスをしていることは多いでしょうが、少なくともお目付け役になっているとも思えません。それで、仕事している感を出すために、外部に厳しく当たります。コンサルタントとして行こうものなら、「あなたのコンサルタント報酬が企業に対してどのような貢献がなされているか数字で示してください」など、確かにいたく当然のことのような気がするのですが、監査役のような社内人材ではありませんし、代表取締役からお願いされていることはきちんとやってはいるのですが、数字としての成果を出せと言ってきます。実はある人材の教育係として依頼されていたのですが、受験勉強でもないし、自分なりのやり方で教育をしているのに、数字として成果を出せとは、困ってしまったケースがあります。なんとなく、この人がいると、この会社は上場できないのではと思いましたが、数年たった今でも上場の気配すらなく、上場できないままのリビングデッドになっています。社内的にも足かせになっているような気がしました。このような方は監査役になるべきではありません。監査役は企業価値を高めるかどうかで判断できる人材が必要であり、単なるコストカッターであってはならないと思うのです。

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