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コーポレートガバナンスは、その企業が属している市場や地域、資金調達の環境に影響を受けます。例えば競争が緩い市場であれば、そんなにあくせくしなくても競合が現れる心配もありませんし、過度に頑張らなくても利益が出やすい状況であれば、慌てて資金調達をする必要もありません。そもそも資金調達の額も少なくて済みます。そのときは投資家に有利な条件で株式を売り渡す必要すらありません。起業家の方が強気で行けます。
逆に競争が激しく、相当スピードよく仕掛けないと、競合に市場が乗っ取られるような場合、さらに新規参入者が続々と現れる環境では、のほほんとしている状況ではないために、一気に、しかも大量に資金調達を行う必要も出てきます。そのようなときには、持ち分もある程度は渡す必要も出てくるので、どうしても投資家のパワーバランスが強くなります。このような場合には起業家がそれほど強気ではいけません。
結局は資金調達の世界でも需要と供給がものを言います。この需要と供給は見方によってはどちらともいえます。例えば次のように考えることができます。
- 資金の受け手と出し手で考える
需要:資金の受け手、起業家(会社)
供給:資金の出し手、投資家
- ビジネスのネタで考える
需要:儲けネタを探している投資家
供給:ビジネスのネタを提供する起業家
上記のように需要も供給も両者になりますが、どちらであったとしても、需要>供給、需要<供給のうち、小なりの側に回れば、あなたにとって有利となるわけです。あなたが起業家であった場合には、いずれにしても、いかに魅力的なビジネスを行うかにつきます。その魅力とは、投資家にとっては企業の成長性と、そのマーケットの成長性、かつその企業がそのマーケットにおいてリーディングカンパニーとなりうることとなります。
上記のような状況を作れば、売り手市場となりますから、投資家からぜひとも検討させてくださいとなります。複数の投資家から、自分の有利な先を選べばよいので、非常にファイナンスも楽になるわけです。そのためには、潜在的な市場規模が大きく、参入者が少ない、あるいは自らが独特な手法を用いることで、参入障壁を高くしてしまえばよいだけのことです。あなたが有利になれるマーケットをいかに見つけるかでもあります。
今や時価総額2兆円超の楽天は、上場前は5億円の資金調達しか行っていなかったのです。やはり売り手市場の会社は、凄いの一言でしょう。