モンテカルロDCF法

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モンテカルロDCF法とは、株価や利益水準などの将来のキャッシュ・フローに影響を与える一定のパラメーターの動きを幾何ブラウン運動としてとらえて、コンピューターで発生させた乱数によってパラメーターの動きをシミュレーションした結果に基づいて、将来に発生するキャッシュ・フローの割引現在価値を求め、公正価値を算出する方法です。

要するに金融工学を用いてキャッシュ・フローを算定するという難しい方法であって、シミュレーションの結果を出されても、この結果が妥当なのかどうかについては、なんとも言いようがないという感じです。モンテカルロDCF法を採用する場合、過去の業績の推移からDCF法のベースとなった将来の収益予測の達成について、数万回のシミュレーションを行います。そして数万通りの評価結果の平均値をもって株主価値とします。一般的には企業の経営環境が安定的でない場合に、将来の不確実性を事業価値に反映させるのに適した評価手法とされますが、ベンチャー企業の評価ではあまりお目にかかったことがありません。厳密には、お目にかかったところで、だからなんですか、くらいなイメージしかない方法なのです。

ただ、知っておいた方がいい方法でもあります。モンテカルロとはなんとも言葉の響きがいいですが、これは、元々は中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案して、ジョン・フォン・ノイマンにより命名されたものです。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区の1つであるモンテカルロから名付けられました。

上記で幾何ブラウン運動とは、時間の経過とともに対数正規分布に近づく性質を持っています。より厳密には幾何ブラウン運動の確率変数 log(St /S0) は、平均(μ-σ2/2)t 分散 σ2t の対数正規分布に従います。

モンテカルロ・シミュレーションの原理としては、乱数により(サイコロを振るように)想定された確率分布に従った環境を一つ生成します。これを何千回、何万回繰り返すことにより、どの程度の頻度(確率)でどのような結果となるのかを分析することができます。そしてキャッシュ・フローに対し、乱数を発生させ、その結果である評価値(利益など)の起こりうる分布を得ることができます。

利点としては、(a) わかりやすい、(b)どのような確率分布を含む計算も行えますが、欠点としては、(c) 乱数を用いるため、結果が一定ではなく誤差を含みます。

精度の良い結果を得るためには多くの試行回数が必要となります。しかし、1回の試行に膨大な時間がかかる場合、多くの試行を行うことは物理的に不可能となり、そのため、モンテカルロ法の精度は1回の試行に掛かる時間にも制限を受けることになります。

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