資本政策から見る持分のハードル、3分の1、半分、そして3分の2

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会社の株式持分3分の1超を持つことが拒否権を持てると申し上げました。そのため3分の1超が持分の一つのハードルとなります。資本政策を作成する上で、それを業者一社で持たせることは会社経営においてリスクになります。資金調達を行わなければならない場合、どうしても3分の1超を外部投資家に持たせざるを得ないときもありますが、その辺は渡してもいいかどうかは慎重になるべきです。

一社ではなく、複数社で合計して3分の1超を持たれる場合も同じです。彼らが結託してしまうリスクがないとは言えません。ファイナンスは資本だけでなく、融資も絡めて有機的に行いましょう。もし業者一社に拒否権を持たせるような資本政策を採用した場合には、このようなデメリットを超えるメリットがあるかどうかを深く考えておく必要があります。でもお金が苦しいときに、目の前のお金にはかなわないんですよね。

他人に3分の1超を渡してしまうと、会社経営が非常に面倒なことになるわけですが、それら株主と良好な関係が築けていれば問題はないのです。ただ長く経営をしているとどうしても安泰なことよりも危機的な状況の方が多くなります。お金を出した人は、ちょっとしたことでパニックになりがちです。数か月間銀行返済が滞ったとか、給料未払が発生したというのは普通は大ごとなのですが、ちょっとしたことで立ち直ることだってあるわけで、つまりそのほとんどが出資や大口顧客から受注が入った等ですが、経営者が見えていることが他人に見えていないこともあり、そういうのを説明するのにも労力がかかります。

もう一つは、3分の1超を持たせた場合、起業家がどこかに起業を売却しようとしたときに拒否権を発動されて、自由に売れなくなります。そんな相手に売るなら、うちらは認めないよと言われて終わりです。会社がつぶれるくらいならば、他に売却して会社が継続した方がお互いのためだよ、なんて理屈は通じるときと通じないときがあります。どうせだめならお前を道ずれに、死なばもろともという不合理な行動に出ることもあるのが投資家なのです。

次のハードルはやはり半分超です。他人に渡してしまうと、自分が代表を解任されてしまう可能性もあります。

そして最後のハードルが3分の2超です。外部の株主にこれを渡してしまって、全員があなたの敵になってしまったら、あなたが3分の1持っていても、もうどうにもなりません。おそらく株を叩き売って去る覚悟が必要です。投資家と仲良くやっていれば問題はないのですが。逆に言えば、外部の株主に半数超渡していたとしても、そして取締役を解任されていたとしても3分の1超をあなたが保有してさえいれば、嫌がらせができるわけです。つまり合併や増資などの拒否権を発動するのです。まあ、そんなことをするためにとどまっていても時間の無駄だとは思いますがね。

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