立派な経営理念があっても、具体的なゴールとそこに到達するための方向性が明確でない場合があります。将来の会社の姿を具体的にイメージできるように定量的な目標(売上高1000億円)だけでなく、定性的な目標(世界で当業界でトップになる)も示す必要があります。
会社は経営者のビジョンで描かれた姿以上にはなりません。成長する会社は、経営者のビジョンに惹かれて他の役員や従業員が付いてきている会社であることが多いので、ビジョンをできるだけ具体的にイメージして、その目標を達成するための基本方針を明確にし、これを全員に浸透させることが重要です。
戦略を策定するにあたっては、様々なリスクを検討しておきましょう。ここでリスクとは、何もしないでも発生するリスク(静的リスク)と戦略を実行することによって発生リスク(動的リスク)があります。これらを整理してその発生を可能性の高さと、発生したときの影響を考えておきましょう。
また、リスクをそのまま受け入れるか、リスクを抑える方策を取るか、第三者にリスクをとってもらうか、回避するかの対策を考える必要があります。
例えば海外に進出するにあたって為替リスクが生じるとすれば、影響額が小さいために許容する場合もあれば、為替予約を付けてヘッジすることもあると思います。
全ての戦略は、それを実行するためのアクションプランに落とし込んでいかなければなりません。部門で決定した対策を個人の目標に落とし込む作業も必要ですが、これはより具体的な取り組みとし、必ず期限を設定しなければなりません。会社員に自ら目標を書かせ、会社の目指していく方向と同じベクトルで行動するように意識付けが行えると、成功の可能性も高まっていくことになると思われます。