アメリカにはプロ経営者が存在する

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日本の起業家は一度事業を始めると、その事業を最後まで責任を持たなければならないという社会的なプレッシャーがあります。まず最初は親でしょうか。一つの企業に勤めたら、定年退職まで勤め上げなさい(最近はそんなこと言う奴も少ないとは思いますが)。転職のときに転職回数が多ければ不利になる。継続のみが美徳、飽きっぽいのはお前の問題、みたいなですね、よくわからない縛りがあるじゃないですか。

融資も連帯保証がなくなる傾向にはありますが、やはりありますよね。あんたが始めた事業なんだから借りた金は最後まであんたが返しなさい、みたいな。もっとも借金付きで別の人が購入してくれるかはともかく、別に会社で借りた金なんだから、創業者が返さなきゃならない理由はないと思うのですけれども。

アメリカではこんな阿呆な考え方は少ないので、労働市場も流動的であることは当然のこと、経営者も流動的なわけです。人それぞれ得意分野があります。起業時のバタバタのときが好きだったり、このリスク感を感じていたいと思ったり、逆に上場した後の管理が得意だったりします。それを同じ人間がやれというのが日本のパターンであり、その時々に応じて別の人材が担当する可能性を多分に残しているのがアメリカのパターンです。

こういう社会背景にありますから、日本では複数の企業を渡り歩いたプロの経営者がまだ少ないのが現状です。そして、一度経営を始めたら、交代要員を探すのも難しく、一生自分下経営に責任を負うつもりがなければ、中々起業しづらい世の中になっています。このような状況ですから、アメリカとは異なり、過半数以上の株式を起業家自らが持ち続ける必要が出てきます。

最近のIT系ベンチャー企業の起業家は、以前の経営者のように息子に継がせよう、なんていう古い(?)考え方は減っているでしょう。むしろ古い考え方の企業は、息子に継いでほしくても継いでくれない業態が多いでしょうが。以前は資本政策という言葉の意味は、息子が株式を引き継ぐためにいかにコストを減らせるかということでしたが(ここでは事業承継税制の話は割愛します)、今のIT系のベンチャー企業の資本政策は相続のような要素は全く考慮されていないと思います。

しかしながら、起業家が自分の作った会社をうまくいったあとでほっといてもかまわないということでもありません。アメリカでもマイクロソフトをはじめとして、創業者が長い間経営にかかわっていた会社も少なくありません。

そしてアメリカの場合、持ち株比率が高いから経営に長期的に関与しているというのではなく、社会全体で作り上げたプロの経営者の層と、競争による質の高い経営者の供給、いい業績を上げ、株主からの指示があるので経営に関与できているのです。もちろん業績が悪ければ首も早いですよね。その辺は、プロ野球やサッカーチームの監督と同じだと思った方がよいでしょう。

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