ベンチャー・キャピタルをカテゴリー分けしても、血液型占いのようなもので(といいますか血液型占いには科学的根拠は全くありませんが)、決めつけはいけません。あくまでも、カテゴリー別の性格付けはあくまでも参考程度にとどめておくのが無難です。秋田県の人はこれこれ、沖縄県の人はそれそれという傾向がある、と分類することがいかに無意味なことであるか、に近いです。県民性はなんとなく何かがある気がしますが、だからと言って、絶対ではないということです。それと同じく、重要なことは、個別のベンチャー・キャピタルや投資家と接してみて、この投資家は、どういう投資を求めているのかをよく考えましょう。考えるポイントは次の通りです。
- ファンドサイズ
例えば、10億円のファンドしかないのに、10億円投資してくれ、ということに応じるファンドは絶対にありません。ベンチャー投資はばくちではないのです。そのため、ある程度分散投資を行うはずです。それにスタートアップで数億なんて言っている奴はただの馬鹿です。
- 次回のファンドを集める計画は
一度に一気に投資する場合もなくはないですが、事業計画や資本政策を見たうえで、時期を分けて投資してくるケースがあります。つまり事業の進捗を見て、投資をするということですね。起業家が1年目の年商が2億円、2年目が3億円、と予想をしたとします。それをきちんと達成していたら、何度かに分けて出資をします。なんでこうする必要があるかといいますと、投資のハードルレートを下げるため、という起業家にやさしい理由もありますが、最初に巨額の投資を行うことが、投資家としてはリスクだからです。起業家の達成能力に応じて出資した方が、失敗をしたときに小さく済むという判断です。
また、このようなケースでは、最初の投資が、あるベンチャー・キャピタルの第1号ファンドだったと仮定して、同じファンドからでない場合もあります。つまり時期によっては第2号ファンドという可能性もあります。そのときに順調に成長して二回目に投資してもらえそうかどうかも考えておかなければなりません。これについては、率直に第2号ファンドの話を担当者に尋ねてもよいのですが、その前に、予定通りに実績を上げて下さい、と言われてしまうでしょうが。そのため現在の投資や将来のファンドの資金量を自分で想像してもよいでしょう。
- ファンドの期限はあと何年か
ベンチャー投資のファンドは、約7~10年程度の期限があります。ファンドの残り期限が2年しかない場合、どう考えても上場まで4~5年かかると思われてしまえば、ハナから投資対象外に思われます。逆にファンドが設立したばかりで残り7年であれば、上場まで4~5年かかると思われても、それは投資対象内です。しかも数年上場が伸びても、大事に至ることもないでしょう。念のため、期限が来たら当社に投資した株式はどうなるのか、と尋ねておいても良いと思います。