関連当事者との関係継続のポイントとは

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関連当事者その他の特定の者との関係や取引を整備する場合、上場審査にあたって、検討すべき項目は以下の通りです。

1.関連当事者その他の特定の者との取引内容・条件に合理性があるか

関連当事者その他の特定の者と取引を行う場合、当該取引を行う合理的な理由があるのかどうかということを検討しなければなりません。取引は上場申請会社が直接行っていなくとも、間接的に取引行為を行っているようなもの、例えば債務の保証等も含まれます。

関連当事者その他の特定の者(関係会社を除く)との取引において製商品の売上・仕入について外部業者との間に入ることで意味もなくマージンを抜いていないか、貸し付けや債務保証については上場申請会社がそれを行う必要性があるか、固定資産や不動産の売買、賃貸借取引についても必要性があるか等を検討することになります。

取引を行うこと自体に合理性がある場合には、更に取引条件に付いても検討が必要です。第三者との取引条件の比較、取引条件の決定方法や過去の推移、契約者等による取引条件の明確化(恣意性の排除)、新たに取引を開始する際の内部牽制体制等について検討することになります。

2.役員の状況に問題はないか

上場申請会社の役員の状況が、公正、忠実かつ十分な職務の執行又は有効な監査を損なう状況にないかどうかという観点から検討が必要です。

例えば、同族色が強い等により、特定のグループへの有利判断がなされる等、意思決定が歪められる可能性がないか、また、上場申請会社の役員が他の会社の役員等を兼務していることにより、取締役会の開催、日常の業務執行等において機動的かつ適正な意思決定に支障が生じていないかを検討することになります。当該兼職先と上場申請会社が取引関係を有するような場合にあっては、その取引条件の決定の手続きの状況等を踏まえ、上場申請会社が不利益を被るような決定となっていないかを検討しなければなりません。

また、上場申請会社の監査役又は監査委員に取締役、執行役または会計参与の配偶者、二親等内の血族及び親族が就任している場合は、有効な監査の実施が損なわれる状況と判断されます。

3.関係や取引を解消する場合のポイント

関連当事者やその他の特定の者(関係会社を除く)との関係を解消するには、役員の兼任関係の解消であれば退任することで事足りますが、退任後も実質的に上場申請会社の経営に強い影響を及ぼしていると認められる場合は、関連当事者の範囲から外れることはないため注意しなければなりません。

また、取引を解消のために相当の現金が必要な場合があります。取引の解消に当たって不動産を買い取らなければならない場合や、貸付金・借入金を清算する場合です。例えば、役員への貸付を精算する場合は、役員の資金面から実行が困難な場合もあります。逆に役員の保有する土地などの不動産を上場申請会社が賃借して事業を行っているような場合は、上場申請会社に相当の現金がないと取引の解消は困難です。取引の解消に当たっては上場申請会社の財務状況、または役員の個人としての状況も影響するため、解消に時間がかかることが多く、できるだけ早い段階から検討を始め、準備をしましょう。

申請予定事業年度の直前々期(N-2期)の期首までには、関係の清算が完了しておくことが望ましいでしょう。

4.関係や取引を継続する場合のポイント

関連当事者その他の特定の者(関連会社を除く)との関係を継続させる場合には、契約書等で取引条件を明確化し、恣意的な利益操作の余地がないようにする必要があります。

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