財務局による有価証券届出書の受理審査

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株式の公募又は売り出しを行う場合、有価証券届出書を管轄の財務局経由で内閣総理大臣あてに提出することが必要となります。

実務上の対応としては、有価証券届出書は取引所の上場承認日(新株発行並びに売出決議日)に、前に述べたEDINETに入力することにより提出(事前に財務局にEDINETコードの登録が必要)するわけですが、この提出を行う一定期間前の段階で、所轄財務局に対して発行会社の概要や募集・売り出し行為の内容に係る事前説明(日程相談)を行うとともに、提出予定の有価証券届出書の内容について財務局担当者から確認(受理審査)を受けることになります。この日程相談のタイミングは、有価証券届出書の提出予定日の概ね45日前までとされており、財務局に対して届出書のドラフトの他、申請会社の概要や事業の状況ならびに財務データ等が把握できる資料を提出するとともに、担当官(統括証券監査官)に対して募集・売り出しスキームの詳細について説明を行います。有価証券届出書(ドラフト)以外の提出書類については、公式に定められた規定はありませんが、一般的に必要とされるものとしては以下の通りとなっております。

提出書類

部数

有価証券届出書ドラフト

1

有価証券の募集(売り出し)日程表 主幹事が作成

1

定款

1

会社案内

3部程度

会社案内に製商品等の紹介がない場合は主要製商品のカタログ

1

最近5事業年度分の事業報告等の株主総会招集通知添付書類

各1

最近2事業年度分の法人税申告書(修正申告書含む)

各1

関係会社の直近2事業年度分の事業報告等の招集通知添付書類

各1

監査概要書(最近2事業年度分・取引所へ提出したものの写し)

1

財務諸表の作成に際して、会社法上の計算書類からの組み替えについて、限度を超えて行っている場合、その内容を記載した資料(組換表等)

1

連結精算表(連結財務諸表を作成している場合、開示対象の連結期間)

各1

財務局の受理審査では、基本的に提出される届出書等の様式や記載内容が定められた形式を充たしているか、また記載内容が投資家からの正しい理解を得られるものとなっているか、といった点について確認・指導が行われます。ここで実務上の対応として、上場申請時点において取引所に提出しているⅠの部は前半部分がその様式に準じて作成されているため、財務局の受理審査において有価証券届出書の記載内容に何らかの訂正要請が行われた場合には、取引所にⅠの部についても速やかに修正を行わなければなりません。

財務局の受理審査では各様式の記載上の注意に定められた記載方法に対して厳格な遵守が求められるため、それまでに取引所から特段の指摘を受けていない場合でも、財務局から記載の追加や修正の指摘がなされるケースがよく見られます。このことからⅠの部及び有価証券届出書の作成に当たっては、開示省令に別添された各様式の内容や記載上の注意を十分に画員の上、慎重に作成を進めることが重要です。また、これらの書類は多くの場合、最終的な提出に際して印刷会社に製版・印刷を依頼することになるため、最終版の校了に際して印刷会社との混乱を避けるよう、日程相談時にあらかじめ現行校了のスケジュールを財務局担当官に説明し、了解を得ておくことが望まれます。また、同様の観点から、EDINETへのデータ登録作業についても、印刷会社と十分に連絡を取り合いながら進めることが必要です。

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