会計監査人は、監査役とは別です。彼らのスケジュールを覗いてみましょう。
(a) 監査実施
会社の状況を理解し、財務報告に関するリスク評価を行い、内部統制及び財務諸表項目に対する監査手続の内容、その実施時期、試査の範囲等を計画します。
(b) 四半期レビュー
四半期報告書の経理の状況に掲記される四半期財務諸表について、質問、分析等の四半期レビュー手続きを実施し、四半期レビュー報告書を提出します。
(c) 内部統制の検討
経営者が作成する内部統制報告書に対して監査意見を表明、また、財務諸表監査を効果的に実施するため、内部統制の検証範囲を狭め、その整備・運用状況を検討します。内部統制の評価範囲は、全社統制、決算財務報告プロセス、業務プロセス、IT統制からなります。
(d) 期末財務諸表監査
期末財務諸表項目に対して、現物実査、棚卸立会、残高確認、質問等の手続きを実施するとともに、計算書類等、有価証券報告書の経理の状況等の表示の適切性を検討します。また、年間を通じて期中監査も行われ、個別取引の検討や、決算上の留意事項の事前検討が実施されます。
(e) 監査報告・マネジメントレター
会計監査人は、決算取締役会に先立ち、会社法の監査報告書を特定取締役及び特定監査役に提出します。また、上場にあたって、有価証券報告書の提出に合わせて財務諸表監査及び内部統制監査に係る監査報告書を提出することになります。
決算上の今後の留意事項や内部統制に関する改善事項等がある場合には、監査終了後、会計監査人から経営者へマネジメントレター(監査覚書)が提出されます。