資本政策の実例から考える。まずはシード・ラウンドを見ていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

資本政策において設立の次の段階です。必ず、個人投資家から投資をしてもらった方がいいとか、投資をしてもらうべきだと申すつもりもありません。アメリカでは大成功した起業家が次の起業家のために投資をするという流れ(エコシステム)が出来上がっていますが、残念ながら日本ではまだまだです。それでも10年前よりははるかにそのような個人投資家が現れてきつつあることは確かです。しかし需要(起業家)に対して供給(個人投資家)が多いとは言い難いので、多くの企業家が個人投資家からお金を出資していただくのは簡単なことではありません。

個人投資家の良いところは、起業家とのフィーリングが合えば、もちろん事業の魅力もありますけれども、比較的に少ない労力でお金を調達できるチャンスがあるということです。しかし正直、ほとんど宝くじよりなんぼかましかくらいだと思った方がいいでしょう。また、稀に個人投資家からの出資を数百万円単位で受けられることもありますが、その個人投資家がプロかと言われると怪しい限りです。プロの投資家に当たらない限りは将来トラブルのもとになります。

最近はシード段階でも、エンジェル(個人投資家)だけでなく、シード段階のベンチャー企業に徹極的に投資をしているベンチャーキャピタルも増えています。さらに、大企業(主に上場企業)の傘下にあるベンチャーキャピタル(コーポレートベンチャーキャピタル)や、大企業が直接投資をする例も増えてきていますので、シード・ラウンドだからといって個人投資家にこだわる必要もありません。

自分が言いたいことは、プロの投資家から出資してもらわないと後々苦労しますよ、ということです。起業家にもう少し活用した方がいいと思うのは、日本政策金融公庫です。その中でも資本性ローンと言って、5年後から15年後に一括返済すればよい資金があります。専門家の中では、ベンチャー企業はリスクが高いのだから融資に手を出すべきじゃないといっている人もいますが、大抵そういう人の大半は、あまりご自分で成功企業を作られたご経験がない方ではないかと思います。理屈を考えれば、ベンチャー企業は失敗することも考えて起業しなければならないから、失敗したときに負債を抱えてしまうと後が大変であることは疑いのない事実です。しかし失敗を恐れるよりも、なぜ失敗を考えて起業しなければならないのかが意味不明です。失敗する可能性が高いなら、起業すべきではありません。絶対的に成功すると起業家が思えるから起業するはずなのです。ですから最初から失敗を想定して逃げていてはいけないと思うのです。上手くいくし、返せる、そう思う人が起業しなければならないと思います。いざ失敗したときは投資家がそのお金を存するだけだから、という消極的な気持ちで起業なんかされたら、それこそ投資家に対して失礼でしょう。

プロでもない個人投資家に出資してもらうよりは、プロの融資家である公庫に融資してもらった方がいいのです。資本性ローンでなくても、1~2年くらいは支払猶予だってできるわけで、事業をやっているうちに企業価値を高めて、ベンチャーキャピタルから出資してもらって、その一部で返済するとか、その頃は売り上げが立っていれば、他の金融機関から借入を起こして公庫の分を返済し始めればいいだけのことです。

シード・ラウンドではあえて個人投資家という選択肢を持たずに、最初からプロの投資家であるベンチャーキャピタルかあるいは大企業の投資部門か、はてまた融資ではありますが公庫という選択肢を取った方が機動的に経営ができることが多いのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

10社を上場へ導いたプロによる上場支援

上場支援プロでは、

  • 法務
  • 財務
  • 会計
  • 税務
  • 資金調達

を中心として会社を設立してから、最短で時価総額を高め、

スムーズに上場するための支援をしております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*