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ここ最近のビジネス環境では、世の中の森羅万象が影響しています。そもそも複雑系でして、未来を予測することは不可能です。そして森羅万象ですとあまりに漠然としすぎていて、どこに力を注げばよいかわかりにくいのが現状です。起業はサービス業で行うことが多いと思いますが、そうなりますと、人と人との関係が重要になります。
そこでソーシャルグラフの登場です。ソーシャルグラフとはWeb上での人間の相関関係や、そのつながり、結びつきを意味する概念です。わかりやすく言えば、友達や知り合い同士の関係であって、「友達の輪」のことですね。SNSでは個人の結びつきが多くなりますが、個人だけではなく、法人等も含めて考えましょう。
また、関係という言葉も、知り合いであるというよりも「情報の流れ」です。Twitterでのフォロー、フォロワー関係も一種の情報の流れと言えましょう。事業というものは、売上を上げていかに利益を出し、キャッシュフローを大きくして、企業価値を長期的に高めるかという一種のゲームです。ここには、この会社と取引をしたい、この会社で働きたいという人と人との取引関係の結果が反映されています。そして契約を締結するためには、サービスの品質や価格だけが判断基準ではなくて、知り合いがそのサービスを使っている、等、そもそも契約関係にない人と人のつながりが影響を与えています。
誰もやったことのない革新的なサービスに取り組むほど、事業の内容やサービスは理解してもらいづらいのが現実です。それに最初に計画したとおりに物事が進むことはありません。ここで必要になるのが「状況に合わせて臨機応変に対処できる能力」になるでしょう。このためには、より良いソーシャルグラフに上手く入り込めるかどうかが成功できるか否かのカギになるわけです。
資金調達を行う、優秀な人を採用する、優良企業と取引をする場合に、より良いソーシャルグラフ(人のつながりのネットワーク)に入り込めるようにしなければなりません。資金調達一つとっても、第三者があの会社いいよ、といってくれることがあれば、出資の可能性は高まるのです。他人が手を付けていない事業のアイデアを他人よりも先に思いつくアンテナも、こういった良いソーシャルグラフに身を置いていれば、その可能性も高まります。要するに、事業が成功するかどうかは、良いソーシャルグラフの中に潜り込む能力があるかどうかなのです。資金を出してくれる人にたどり着く、優秀な人材を見つける、大口顧客を獲得する、全てこれは良いソーシャルグラフに入り込んだ結果です。
投資をするベンチャーキャピタルにとっても、投資を受ける側の経営者のアイデアや計画が優れているかだけではなくて、良いソーシャルグラフに入り込めた人材か、あるいは入り込める能力を持っているかを見る必要があります。