ブックビルディングという方式があります。以下、簡単に見ていきましょう。
(1) 公募の場合の株価
(スプレッド方式採用:公募価格2,000円・スプレッド8%の場合の例)
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←仮条件(ブックビルディング)の範囲→ |
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仮条件下限1,900円~仮条件上限2,100円 |
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会社法15%上の払込金額1,530円 |
15% |
< |
引受価額 1,840円 |
< ⇔ |
公募価格 2,000円 |
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この価格を下回って株式の発行はできない |
この差額が、証券会社の手数料相当額となります。 |
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(2) 売出しの場合の株価
(スプレッド方式採用、公募価格2,000円・スプレッド8%の場合の例)
←仮条件(ブックビルディング)の範囲→ |
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仮条件下限1,900円~仮条件上限2,100円 |
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引受価額 1,840円 |
< ⇔ |
売出価格 2,000円 |
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この差額が、証券会社の手数料相当額 |
※スプレッド方式とは、公募・売り出しを行うにあたり、発行会社又は売り出し人が引受証券会社に手数料を支払わずに、証券会社が投資家に販売する公募・売り出し価額との差額を手数料相当額とする方式。
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発行会社 |
売出人 |
メリット |
発行費用とはならないために利益に影響を与えない。消費税がかからない。 |
消費税がかからない。 |
デメリット |
自己資本の増加が手数料方式より少額となる。発行費用が計上されない分、課税所得が増えることとなる。 |
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内容 |
決定の時期 |
想定価格 |
有価証券届出書に記載 |
募集株式発行取締役会の1週間程度前 |
会社法上の払込金額 |
この金額を下回る場合の株式発行はできない。 |
条件決定取締役会 |
仮条件 |
ブックビルディング(需要予測)を行う際の価格帯 |
条件決定取締役会 |
引受価額 |
証券会社から発行会社・売出人への払込価格(発行会社・売出人の手取額となる)この2分の1相当額が資本組入額となる。 |
ブックビルディング終了後 |
公募価格 |
投資家への販売価格(売出価格と同額)発行価格ともいう。 |
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売出価格 |
投資家への販売価格(公募価格と同額) |
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