購買管理制度を整備するときの注意点

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購買管理制度における主要な業務は、発注、納品、支払い、外注管理に大別することができます。それぞれの業務管理上のポイントは以下のようになります。

1.発注

(a) 発注単価の見直し

仕入担当者の責任として供給責任が伴うとき、一定の仕入先との取引が長引いて、発注単価の見直しが行われていないことがあります。競争が激化しており、売値の維持が困難なときに発注単価が一定であると、会社の収益性が圧迫される恐れがあります。このような事態に陥らないためにも、定期的に複数の発注先からの見積もりを入手することを義務付ける等発注単価を常に見直す体制を構築する必要があります。

(b) 発注ロット、発注点管理の見直し

一定数量以上の購入によるリベートを目的とした場合や、業務管理を一括で行うことを目的としたとき、事業規模に比較して過大なロットでの発注が行われていることがあります。過大なロットでの発注は、在庫の長期滞留や不良在庫、在庫への資金の拘束を招き、業績悪化につながる恐れがあるため、アイテムごとに発注点、発注ロットを定める等適量での発注を行う体制を確保することが重要となります。

2.納品

(a) 発注内容と納品内容の照合

納品数量が発注数量を超過しているにもかかわらず、受入処理をしてしまうと、不良在庫につながったり、発注金額以上の請求が行われる恐れがあります。逆に納品数量が発注数量に満たない場合には、予定していた出荷が滞る恐れや、発注金額通りの過大請求が行われる恐れがあります。そのため、物品が納品された際には適時に発注内容と照合し、発注内容通りの受け入れが行われたかチェックすることが必要となります。

3.支払い

(a) 納品記録と請求内容の照合

仕入先からの請求内容のチェックをせずに支払いを実施すると、仕入先が金額を誤っていた場合に過大な支払いが行われる可能性があります。そのため、事前に支払い内容のチェックを実施するようにしましょう。

(b) 仕入条件の検討

売上入金のサイトと比して仕入支払いのサイトが著しく短い場合、資金繰りを圧迫する恐れがあります。そのため、入金サイトと支払いサイトのバランスを把握し、サイト差を縮める努力もしましょう。

4.外注管理

(a) 外注先の選定、評価

外注先に得意先から要求された品質と納期を厳守させることは重要です。外注先との関係に緊張感を持たせ、品質を担保するためにも、外注先を分散させると共に、取引が完了した後に、外注先の作業を評価し社内で情報を持っておくべきです。外注先の分散、評価を行うことで、万一外注先が破綻するなど不測の事態に陥った場合にも、他の外注先の利用により損害を最小限に食い止めることができます。

(b) 納期、品質、価格の管理

外注先に作業を依頼する際に、作業の納期や品質につき明確に合意しておくことで作業の手戻りやクレームが発生しにくくなり、コミュニケーションロスが防止されます。また、得意先との価格合意前に、外注先と納期や品質だけでなく価格面でも合意しておけば、案件全体として採算を確保することが容易となるでしょう。

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