上場審査基準の充足

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上場時の資本政策により充足する上場基準について、以下見てきましょう。

項目

基準の内容

東証(本則市場)

マザーズ

ジャスダック

上場時株主数

800名

200名

300名

公募株数

500単位

公募又は売出株数

上場株式数の10%又は1,000単位の多い方

上場時流通株式

・流通株式数

・流通株式時価総額

・流通株式比率

 

4,000単位

10億円

30%

 

2,000単位

5億円

25%

 

5億円

上場時時価総額

20億円(※1)

10億円

上場時純資産額

連結純資産

10億円(※2)

―(※3)

(※1)250億円以上の場合は直接市場第一部

(※2)「かつ単体の額が負ではない」が必要

(※3)ジャスダックでは直前期末の純資産を上場審査基準としており、スタンダードでは「2億円以上」、グロースでは「正」としている。

上場審査基準のうち、上場時株主数、公募株数、公募又は売り出し株数の各規準のハードルは比較的低く、通常は証券会社が上場時の公募・売り出し株数を広く一般に販売することにより達成できると思われます。また、流通株式数についても、株式分割等のように資金調達を伴わない手法により株式数を増加させることができるため、充足することが難しいということはないと考えられます。

しかしながら、流通株式時価総額は、利益水準の低い会社、PERの低い業種に属する会社等は苦労する可能性が高く、注意が必要な基準です。ここでオーナー会社(オーナー一族が全株保有)で上場予定市場はマザーズ、時価総額評価額が10億円と基準下限の場合を例にすると、流通株式比率の基準である25%を充足しても、流通株式時価総額5億円を充たすことができず、上場時点でオーナー一族の持株比率は50%以下まで低下することとなります。このケースはいささか極端だが、時価総額が20億円以下の場合は、流通株式時価総額5億円の基準を満たすために、流通株式比率の基準である25%以上の株式を市場に放出しなければならなくなるということは、十分に留意しておく必要があるのです。

純資産の基準については、東証では上場時の公募増資による調達額を加えることが可能となったため、直前期が債務超過であったとしても、上場時の公募増資により基準を充足できるようになっています。上場直前に無理をして第三者割当増資を行うのではなく、上場時の公募株数を増やすと言った方法による対応も可能となっているのです。

但し、上場時の公募・売り出しの規模が実際に市場で受け入れられるかどうかは別問題であるため、マーケットの状況及び主幹事証券会社の判断が重要なポイントとなります。また、株式市場が低迷している場合には、株価や調達金額が想定を下回り、当初予定の株数では不足する可能性もあるため、証券会社、株主等の関係者との日頃の情報交換が重要になります。

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