コーポレート・ガバナンスにおける社外取締役の役割とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

社外取締役はどちらかというと、代表取締役が暴走しないようにブレーキを踏むことと、アドバイスをする役割だとしか思われていないのです。その原因は、社内取締役からはあんまり口を出してほしくないなあという気持ちと、社外取締役は頼まれたことだけやればいいか、小うるさくやっていると嫌われるし、お金もらえればそれでいいよ、というお互いが消極的な気持ちがあることは否定できないでしょう。

たまにはブレーキも必要かもしれませんが、企業は成長しなければならないのに、その都度立ち止まっていたら、次への加速力がその都度落ちるということにもなりかねません。もう一つは社歴が何十年もあるような巨大企業に外からやってきて、効果的なアドバイスができる人材なんて、そういるわけがありません。そのほとんどが「あんた何もうちのことを知らないくせに」というような意見にとどまると思います。

従業員ですらも不合理だと思うことを社長に言えないわけで(言ったら即首ですが)、その不合理なことも社長なりのお考えがあるというものです。過去のしがらみでということもあるでしょう。触れてはならないことはあるものです。

借りにアドバイスするならば、それはいいね、というよりもやらない方がいいねというアドバイスをした方が間違いなく正しいのです。なぜならばこの世の新規事業のほとんどが失敗に終わるわけですから、「失敗するからやめた方がいい」→「ほら、俺の言ったとおりだろ」の方が確率が高いに決まっています。しかし確率的には少ないながらも、仮に10分の1の確率で企業価値が50倍くらいになるのであれば、実行した方が企業価値を高めるかもしれません。

そのため、アドバイザーはほとんどお飾りになってしまいます。経歴が立派な人は、見栄えがいいだけで、会社にとってそれほど大きなメリットがあるわけではありません。ベンチャー・キャピタルからの出資の条件として、派遣されてくる社外取締役も、例えば、成功しても大してキャピタルゲインが得られないような従業員クラスの人材であった場合には、失敗して会社からペナルティを食らうよりも、無難に何もさせないで上場もできない方がましなこともあるでしょう。これがパートナークラスでIPOでもすれば自分の報酬に跳ね返ってくるならば、どんどんやりましょう、になると思いますが。

本来、社外取締役の役目はブレーキ役とかアドバイザーではなく、経営陣や投資家の利害を一致させることで、企業価値の向上を実現することです。独立性を重んじる存在ではあっても、彼らにストックオプションを付与することは何の問題もないと思われます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

10社を上場へ導いたプロによる上場支援

上場支援プロでは、

  • 法務
  • 財務
  • 会計
  • 税務
  • 資金調達

を中心として会社を設立してから、最短で時価総額を高め、

スムーズに上場するための支援をしております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*