資本政策の実例から考える第三者割当増資

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資本政策において、設立からシード・ラウンドを経て、この頃には商品のプロトタイプが完成し、テスト的に利用してくれる顧客にもかなり好評を得て、問題点や改善点なども見えてきているでしょう。この頃になりますと、通常のベンチャーキャピタルが出資先として登場してきます。

もちろん大企業からの資本提携も促進される時期です。先の例では設立から約1年後に1億5千万円の出資を受けることになっています。マスコミにも取り上げられれば、ベンチャーキャピタルからの出資も受けやすくなります。雑誌の切り抜きをコピーして持っていったりします。

あくまでも資本政策上ですが、設立時に一株当たり株価が500円玉だったものが、5万円という諭吉が5枚になりました。100倍です。エクセル上ですが。自分の株の持ち分も計算するのが楽しくなります。2万2千株×5万円で11億円ですよ。未上場株なんて単なる紙切れですが、でもそれで喜ぶことも重要です。それが経営のモチベーションになるならば、そしてそれで数多くの雇用を生み、社会に価値を生み出すならばいいじゃないですか。

株価がいつの間にかに100倍になっています。本来ならばそんなことはないはず。そりゃ当然ないですよ。計算上の話ですからね。そうは言ってもこれでベンチャーキャピタルから出資してもらえば、第三者からのお墨付きがあったといえます。ある人なんて、それで未上場株を担保に数百万円借りたこともありますしね。まあ、それはともかく、この企業の価値が現金化できないとは言ったところで、社長や役員等の経営陣やプロトタイプやビジネスモデルが、プロの投資家からイケてると思われたわけですから、そこは素直に喜びましょう。

この段階で、ベンチャーキャピタルから一株5万円で3,000株、1億5千万円の出資を受け、彼らの持ち分が10.3%になっています。起業家(経営者)の持分は84.6%から75.9%に下がりましたが単独でも4分の3は確保しています。そして役員は7.7%から6.9%まで下がったものの、役員から裏切り者が出ないことを前提としますが、安定株主が82.8%、つまり8割超です。全然余裕ですね。一応個人投資家も7.7%から6.9%となっています。これが親類とかあなたの友人ならばともかく、そうでもない個人投資家であれば、いつ敵対するかもわかりません。後、個人的な経験から申しますとお金が絡みますと友人が友人でなくなります。お金を貸している人が気持ち的にお金を借りているあなたを支配したくなります。お金を返せなくなったら最悪です。契約上有効だとか無効だといっても始まりません。その株式が流通転々とすることも覚悟が必要です。それくらい揉めると厄介なのがアマチュアの個人投資家ですね。あなたが何らかのきっかけで作った人脈から、仮にプロの個人投資家(エンジェル)に運よく投資してもらったとしても、あなたを追い込んでこないとも限りません。自分の出資が返ってこなくなるよりはという気持ちで。もちろん数多くのプロの個人投資家は返ってこないのも全てリスクのうち、自分の見る目がなかったと割り切る人も多いと思いますが。でも彼らに損をさせてしまった以上、彼らのネットワーク上にある個人投資家からの支援を受けるのは難しくなると言って良いでしょう。お金を貸して、返してこなくなったら、あまり良い気分はしませんし、愚痴もこぼしたくなりますし、悪口も言いたくなりますよね。あなただってその立場ならそうでしょう。返せなくなった理由が致し方ないことであったとしても、あまりいい感情は持たないでしょうね。

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