![](https://ipo-support.business-relations.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/20181020-304x202.jpg)
中には投資のことや、あなたの事業をきちんと理解して応援して下さる個人投資家もたくさんいらっしゃいますから、そのときには、せめて少しでもメリットのある関係を築きたいものです。一番のメリットはEXITという形でキャピタルゲインでお返しできれば良いのですが、その他にもできるかぎりのメリットを享受していただきましょう。
日本でもベンチャー企業の創出が新産業を生み、国の発展に寄与すると考え、政府がベンチャー企業への投資促進のための税制を作りました。それが起業応援税制、いわゆるエンジェル税制です。個人投資家は投資時点、株式売却時点のそれぞれの時点において、税制上の優遇措置を受けることができます。
- ベンチャー企業へ投資した年に受けられる優遇措置
- 優遇措置A
(ベンチャー企業への投資額-2,000円)をその年の総所得金額から控除
※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低い方
- 優遇措置B
ベンチャー企業への投資額全額をその年の他の株式譲渡益から控除
※控除対象となる投資額の上限なし
- 未上場ベンチャー企業株式を売却した年に受けられる優遇措置(売却損失が発生した場合)
未上場ベンチャー企業株式の売却により生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と通算(相殺)できるだけでなく、その年に通算(相殺)しきれなかった損失については、翌年以降3年にわたって、順次株式譲渡益と通算(相殺)ができます。ベンチャー企業が上場しないまま、破産、解散等をして株式の価値がなくなった場合にも、同様に翌年以降3年にわたって損失の繰越ができます。また、ベンチャー企業へ投資した年に優遇措置(AまたはB)を受けた場合には、その控除対象金額を取得価額から差し引いて売却損失を計算します。
個人投資家には、①ベンチャー企業に対する直接投資(民法上の組合又は投資事業有限責任組合軽油を含む)、②認定投資事業有限責任組合経由(経営指導を行うもの)、③証券会社経由(グリーンシートエマージング銘柄)の3種類の投資方法があります。
また、資金調達前にベンチャー企業がエンジェル税制の対象か否かについて確認を受けることができる制度があります。事前確認制度を利用しなくてもエンジェル税制を受けられる場合がありますが、要件に合致していなければ税制が受けられませんから、エンジェルの方に投資していただいた企業は、事前確認制度を使って、自社がエンジェル税制に該当する企業であることを明確にしておいた方がよいでしょう。
なお、事前確認が行われた場合には、経済産業省のホームページにおいて会社名等を公表することができます。「事前確認制度」は、確認申請日時点においてエンジェル税制の対象企業か否かを確認するものであり、その後投資が行われた際には、この投資についてエンジェル税制の適用を受けるため、改めて確認(株式の払込み等の確認)を受ける必要があります。
投資後に確認申請(株式の払込等の確認)を行い、エンジェル税制の対象企業及び対象投資と確認されると、都道府県知事の確認書が交付されます。対象企業はこの確認書の他、確定申告時に必要となる書類を投資をした個人投資家へ交付し、個人投資家はこれらをもって確定申告を行い、税制上の優遇措置を受けることとなります。
事前確認制度を利用しない場合は、投資が行われた後、当該企業は自社及びその投資がエンジェル税制の対象であることについて、確認(株式の払込み等の確認)を受ける必要があります。これにより対象企業と確認されると、都道府県知事の確認書が交付されます。対象企業はこの確認書の他、確定申告時に必要となる書類を投資をした個人投資家へ交付し、個人投資家はこれらをもって確定申告を行い、税制上の優遇措置を受けることとなります。上述の事前確認のプロセスがなくなるだけで、手続きの流れは基本的に同じですが、確認申請時に提出する書類が変わってきます。