起業家に対して投資家が求めるものとは

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銀行借入と投資は大きく異なります。前者が借りたもので返せなければならない、後者が出資したもので返す義務を持たないものです。出資を受ける方は投資をしてもらった方が返さなくていいから良さそうに見えます。確かにその通りですが、厳密には融資と投資が二律背反するものではありません。そして銀行員や貸金業者は血も涙もない、投資家は神様みたいな人だと思う人がいるでしょうが、完全に間違っています。こう誤解する人がいるからみんな安易に投資家を求めてしまうのでしょう。

投資家は銀行よりもリスクをおっている分、より大きなリターンを期待しているのです。投資家と言っても色々おりますが、プロのベンチャーキャピタルであれば、あなたの会社のステージにもよりますが、投資額が10倍くらいの価値にならなければ、そもそも投資してもらえません。例えば、皆さんの会社が株式上場を果たした時点で100億円になる場合、10%の持分しかベンチャーキャピタルに渡さないとすると、彼らが上場時に手にするのが10億円になり、それが市場ですんなりと売却できるとすると、投資してほしいと思ったときに1億円しか投資してくれないということになります。1億円出資してもらえれば十分と思うと思いますが、それは追加出資がない場合です。ここで追加出資があると当初のベンチャーキャピタルの持ち分が減るわけで、そうなると上場時の時価総額をもっと高めていかなければいけないわけです。

銀行は数パーセントの利率ですし、高利貸しは法律を守っていれば上限金利が20%。でもベンチャーキャピタルの場合は下手すれば何百倍の利息を取っていることになるのです。しかもベンチャーキャピタルに投資してもらった場合、上場しなければ株式を買い取ることという実質金貸しじゃねえか!という条項が付いている場合がありますから、注意が必要です。

またエンジェルという個人投資家ですが、プロの個人投資家であればリスクがあることをわきまわていますが、あなただから出資した、と事業の失敗をあなたの責任にして、金返せと言ってきます。出資したものが何倍にもなると思ったから出資しただけだ、と開き直る人もいます。そうなるとエンジェルがいきなりデビルに早変わりです。親のところにも金返せと言ってきます。あなたが思っているほど、個人投資家はエンジェルではないのですよ、ということをまずは自覚しましょう。

あとは株式には議決権があり、議決権があるということは間違いなく口出しもされるということです。出資を受ける方はお金だけ出して口出ししない投資家は素晴らしい、と思うでしょうが、口出ししてこない投資家はいません。自分が出した投資額が返ってこなくてはいけませんから、返ってこなくなる前に口出しをします。自由に経営もできなくなります。自由が利かないということ自体がどのようなことか理解できていないから、投資を安易に考えているのだと思います。融資は返さなければならない、投資は返さなくてもいいから投資がいいという考え方は今すぐ捨てるべきです。返さなくていい分、あなたに不利益や面倒が生じる、だから出資してくれるのです。

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