監査役に相応しい人材とは

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上場企業ですと、お目付け役っぽく見えればよいので、弁護士が社外監査役になっている例が多いように思われます。アメリカの場合には、弁護士資格がある人は社外監査役でなく、社外取締役になるケースが多くなっています。アメリカの場合、弁護士になる方の中には結構経営のプロフェッショナルも多くいらっしゃいます。日本の場合は、法律のプロフェッショナルであって、経営のプロフェッショナルはあまり多くいらっしゃいません。司法試験も最難関な試験ですし、受験勉強に時間を割かなければ弁護士になれませんから、経営者と弁護士の二足の草鞋を履ける人材はおのずと少なくなってしまうでしょう(皆無ではありません)。

監査役はアドバイザーという立場でもありますし、会社法や会計に詳しい人材ということになると弁護士の他に、公認会計士も適していると思われます。ただ、ある程度の報酬を払わなければならないため、中小企業で資格保有者を監査役に置くのはよほどのことがないと不可能です。知り合いの中小企業では、弁護士先生に監査役を引き受けてくださいますが、取締役会に参加したケースはありませんし(これはオフレコでお願いします)、月額報酬はお支払いしていないのですが、あくまでも代表取締役の人間関係で監査役を務めてくださっています。しかし、株主総会のときにはきちんと出席していただいて、そのときには交通費の他、きちんと報酬を支払っています。うまい使い方だと思います。

その会社はあまり法律上のトラブルが起きないような会社ですが、どさくさに紛れて、法律上のことも無償で相談してしまっています。よほど寝業師でないとこれは難しいですね。

監査役は議決権を持っていませんから、積極的に経営の施策を検討してくれる立場にはありません。そのため、あまりギラギラしすぎている人は向かないかもしれません。とはいえ、単なるお飾りのないも言わない人ですと、毒にも薬にもなりませんが、単なる数合わせにしかなっていないことになります。何か言ったとしても、「それは失敗するからやめておいた方がいい」とアドバイスをくれますが、「何でダメなんですか」「他にどうやったらいいと思いますか」とアドバイスを求めても、何の答えも返ってきません。返ってきたとしても「なんとなく危ないからです」とか大したアドバイスでないばかりか、単なる評論家として文句を言っているだけの存在になりがちです。「いや、そんなことわかってるよ、だからどうしたらいいんだよ」と心の中でとどめておくのが精一杯です。

ただ、議決権はなくても強大な権限を持っていることは確かです。しかし人間関係が悪化しなければ、よほどのことがない限りはその強大な権限を行使してこないのも事実、本来ならば効果的にアドバイスをしてくれる人材を配置したいところですが、まあ、無難に法律や会計のアドバイスを表面的に下さる人材で十分なんですかねえ。

いずれにしても、企業価値を高めるための人材かどうかは、経営者の方で人物評価をしておいた方がいいと思われます。

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