ベンチャー企業になぜ自己資金が必要か

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自分のアイデアは素敵だから、ぜひとも他人に出資してもらいたい。そうお考えの方は次のように考えてみましょう。あなたはイケてるアイデアがあります。投資家が会社に900万円出してくれました。その会社は誰のものですか?

その創業資金を自分で出していればあなたの会社であると言って良いでしょうが、仮にあなたが100万円の創業資金を用意したとして創業時に900万円を出資してくれた投資家がいたとしたら1,000万円の会社であなたの持ち分は10%、90%は出資者の持ち分。これは誰の会社ですか?出資者の会社ですね。あなたがたとえ代表を務めていたとしても。あなたの成績が悪ければ株主総会であなたは解任されます。例え成績が良くても、代わりにもっといい人がいれば、それでもあなたは解任されます。投資してもらうということはあなたは解任される可能性が高まる、それがわからない人が多いんですね。

ですから少なくとも自己資金を用意しましょう。次には乗っ取られない資金調達をすることをお勧めします。ベンチャー企業では返済すべき融資は望ましくないとお考えの方も多いです。それは理論上正解です。しかしながら、借りたお金は返済すべきですが、その返済をかなり先延ばしする方法はあります。創業融資を借りて1年くらいは余裕に元金返済を引き延ばしておくことはできます。また日本政策金融公庫の融資制度に資本性ローンがあり、この制度を活用すれば5年1か月目かあるいは15年返済を猶予してもらうこともできます。

この間にあなたがしておくことは、あなたの会社をバリューアップ(企業価値を高める)ことです。具体的には売上を上げ、利益を出すこと、あるいは売り上げをあげるために必要なサービス力を高めること、潜在顧客を多く獲得しておくこと(顧客のリスト取り)、技術力を高めておくこと、アイデアベースから試作品だけでも作っておくこと、等バリューアップの手段は数多く上げられます。

このようなかたちでバリューアップしておくことで、仮に100万円しかあなたが出資していなかったとしても、あなたの保有する持分価値が9,000万円と値付けすることもできるようになるかもしれません(バリューアップの期間でどれだけ事業価値を高めておけるかどうかにかかっていますが)。そうすれば最初に戻りましょう、1,000万円出資してもらったときに誰の会社になりますか?あなたの持ち分が1億円のうち9,000万円だから90%、他人の出資分が1,000万円ですから10%。間違いなくあなたの会社ですね。

アイデアができたら他人に話してお金を集めるのではなく、まずは自己資金でやってみて、不足分は金融公庫等から融資をしてもらって、元金返済が始まるまで粘り、その間に企業価値を高め、あなたの持ち分を確保したうえで、初めて出資を仰ぎに行きましょう。

投資をする方にしても、あなたの持ち分が少なければ事業を大きくするインセンティブが少なくなるでしょうから、事業の成功度がそれだけ低いと思われていまい、投資を躊躇します。ときにこれはすごいビジネスだと思った場合には、喜んで出資してきますが、あなたの利用価値がないと思われた時点で解任されます。

まず出資というものはどういうものなのかを知ることから始めましょう。

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