上場実務

起業家が自分で決められる持分比率とは。どのくらいで自由が利かなくなるか?

何度も繰り返しになりますが、ベンチャー起業家は若く、人生経験の乏しい人が多いです。別に若いから悪いのではなくて、ベンチャー起業なんて土日もなければ、夜も朝も昼もない、ひたすら働きづめになることも少なくありません。正直体力勝負みたいなところもありますから、ベンチャーを興すならば、無理がきいて若いうちの方がいいと思います。

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株主総会決議の決議要件。何の決議でどれくらいの評決数が必要になるか?

正直、社長にとどまれば何でもやり放題というわけにもいかなくなります。ですから51%持っていれば平気と胡坐をかいていてはいけません。長年経営していると、お金の入用があって、そのときにそのなけなしの数パーセントを手放さざるを得ない状況もないわけではありません。さらに、株式会社では数パーセント他人に渡した段階で、株主の権利を主張してくる輩もいますし、お伺いを立てないと何一つ進められないということもあるのです。さて、以下では決議要件をまとめてみます。

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妥当な持株比率を法律から考えるために株主総会決議を概観しよう

持分次第では自分が経営者でいられなくなる、そういったこともあるのが株式会社です。投資家は自分の投資したお金を回収して、さらにビッグなキャピタルゲインを得たいわけです。今の経営者がそうしてくれればいいし、そうしてくれなさそうで、もっとふさわしい経営者がいると判断すれば挿げ替えるのが当然です。

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資本政策を作成して、妥当な持株比率を考えよう

株式会社という組織は、従業員の立場から見るとイメージがわかないと思うのですが、株主の立場から見ますと完全民主主義の状態になっています。どういうことかと申しますと、株主の持ち分が多い人の意見が通る仕組みです。株主も持ち分が多ければ、その人の言い分が通ってしまいますから独裁政権のようにしかなりません。国で独裁政権になったら、民主主義をやっている他の国逃げられればいいのですが、封鎖されるとどこにもいけませんね。株式会社の場合には、持分をどなたか買ってくれれば手放す、ということになるでしょう。

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資本政策から見る、シリーズB、そして上場

上場前にもう一度、増資が必要になったとします。企業価値が高く一株当たり株価も上がっているので、株数が少なくても希薄化は抑えられています。シリーズBではベンチャーキャピタルから1,000株、業務提携先から500株、株価が20万円として、合計の調達額は3億円としてみましょう。資金調達後、それをポスト(Post)といいますが、ポストで61億円の株主価値になりました(資金調達前はプレ(Pre)といいます)。

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資本政策の実例から考える第三者割当増資

資本政策において、設立からシード・ラウンドを経て、この頃には商品のプロトタイプが完成し、テスト的に利用してくれる顧客にもかなり好評を得て、問題点や改善点なども見えてきているでしょう。この頃になりますと、通常のベンチャーキャピタルが出資先として登場してきます。

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資本政策の実例から考える。まずはシード・ラウンドを見ていきましょう。

資本政策において設立の次の段階です。必ず、個人投資家から投資をしてもらった方がいいとか、投資をしてもらうべきだと申すつもりもありません。アメリカでは大成功した起業家が次の起業家のために投資をするという流れ(エコシステム)が出来上がっていますが、残念ながら日本ではまだまだです。それでも10年前よりははるかにそのような個人投資家が現れてきつつあることは確かです。しかし需要(起業家)に対して供給(個人投資家)が多いとは言い難いので、多くの企業家が個人投資家からお金を出資していただくのは簡単なことではありません。

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資本政策の実例から考える。本当に他人からお金を出資してもらって幸せか。

事業計画や資本政策を見る限り、第三者からの出資は不要であるが、一応自分のビジネスについて、信頼できる第三者からそれなりに評価された。別にコンサルティングをかましていないからその点は騙されていない。エクセルシートの計算ミスもなさそうだ、ということであれば非常に稀な優れたビジネスモデルを見つけたということで、喜んでもいいでしょう。

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資本政策はなぜ重要か

資本政策を間違うと、後で修正が聞きません。例えば、初期に自分の持ち分を全く考えていなくて、資金に困って自分の持ち分を減らしまくって、数パーセントしかなく、自分の会社でなくなっていたなんていうケースも全くないわけではありません。

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